中村千晶 違法ビジネスという“地獄”から母を救おうとする子 仏教故事に着想を得た映画「西湖畔(せいこはん)に生きる」 中国・杭州市。西湖のほとりに暮らすタイホア(ジアン・チンチン)は茶畑で働き、一人息子ムーリエン(ウー・レイ)を育てあげた。だがあることから茶畑を追い出され、違法ビジネスの闇に堕ちてしまう──。前作「春江水暖〜しゅんこうすいだん」で世界を仰天させた中国の若き才能の第2弾「西湖畔(せいこはん)に生きる」。脚本も務めたグー・シャオガン監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 10/6
中村千晶 「女がマエストロになれるかよ」 実在する姉妹が差別や偏見を乗り越え、自らの夢に挑む 1995年、パリ郊外。アルジェリア系のザイア(ウーヤラ・アマムラ)は双子の妹フェットゥマとパリの音楽院に編入する。だが指揮者を目指すザイアの前に性別や格差の差別が立ちはだかる。そんなとき世界的指揮者が特別授業にやってきて──。現在も活躍を続ける実在の姉妹を描いた映画「パリのちいさなオーケストラ」。脚本も務めたマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 9/29
中村千晶 「誰にでも頭はある。だから失業しない」 理髪店で40年にわたってハサミを握り、3人の子どもを巣立たせた母 台中にある昔ながらの理髪店。店主のアールイ(ルー・シャオフェン)はここで40年にわたってハサミを握り、3人の子どもを巣立たせた。が、ある日長女(アニー・チェン)が店を訪ねると「本日公休」の札が下がり、母の姿がない。一体どこに行ったのか? フー・ティエンユー監督が実家の母をモデルに紡ぐ物語「本日公休」。監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 9/22
中村千晶 偉大な作曲家として名高い“夫”の真実 妻目線で描いた映画「チャイコフスキーの妻」 19世紀後半のロシア。アントニーナ(アリョーナ・ミハイロワ)は高名な作曲家チャイコフスキー(オーディン・ランド・ビロン)に盲目的に恋をし、結婚を果たす。が、女性に愛情を抱いたことのない彼との結婚生活は暗澹たるものになり──。ロシア出身の鬼才監督が天才作曲家の実像に迫る「チャイコフスキーの妻」。脚本も務めたキリル・セレブレンニコフ監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 9/15
中村千晶 「家父長制反対! この男をやっつけろ!」 笑いありバトルありの痛快シスターフッドムービー ロンドンの高校生リア(プリヤ・カンサラ)の夢はスタントウーマン。唯一の理解者は姉リーナ(リトゥ・アリヤ)だ。だが姉が富豪の息子と結婚すると言い出す。相手に不審を感じたリアが調査をすると──。パキスタン系イギリス人のニダ・マンズール監督が放つ、痛快シスターフッドムービー「ポライト・ソサエティ」。俳優のプリヤ・カンサラさんに本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 9/8
中村千晶 「人は何を憶えているのか? それは感情や体に刻まれた愛や痛みの記憶です」 アルツハイマーの夫と妻の日々を追ったドキュメンタリー チリの著名なジャーナリストの夫、アウグスト・ゴンゴラと、国民的女優の妻、パウリナ・ウルティア。20年以上連れ添ってきた二人はいま新たな局面を迎えていた。夫のアウグストがアルツハイマーを患ったのだ。それでも愛とユーモアを大切に暮らす二人の日々を追ったドキュメンタリー「エターナルメモリー」。プロデューサーも務めたマイテ・アルベルディ監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 9/1
中村千晶 あまりの美味しさに監督自ら撮影交渉した老舗フレンチ店 ドュメンタリー「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」 ミシュラン三つ星に55年間輝き続けるフレンチレストラン「トロワグロ」。家族で始めたレストランがなぜ世界中の美食家を惹きつけるのか? 巨匠フレデリック・ワイズマン監督が食材の仕入れ、厨房の様子などその全貌を静かに見つめ、観客を至福の食体験へと誘うドキュメンタリー「至福のレストラン/三つ星トロワグロ」。ワイズマン監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 8/25
中村千晶 メキシコの新たな才能、リラ・アビレス監督「私は映画監督になり、初めてジェンダーに関係なく作品で評価されるようになった」 7歳の少女・ソル(ナイマ・センティエス)は父の実家にやってきた。病気で療養中の父の誕生日パーティーが開かれるのだ。大人たちが慌ただしく準備をするなか、ソルはなかなか父に会わせてもらえない。そしてソルは一人スマホに話しかける──。世界各国の映画祭で30以上の賞を受賞した「夏の終わりに願うこと」は、少女が“別れ”を知るまでの物語。脚本も手がけたリラ・アビレス監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 8/12
中村千晶 「和歌山毒物カレー事件」再検証 メディアのあり方を今一度考えさせられるドキュメンタリー 1998年7月に起きた「和歌山毒物カレー事件」。夏祭りで提供されたカレーに猛毒のヒ素が混入し、4人が亡くなった。事件は連日メディアに報じられ、近くに住む林眞須美氏が逮捕。容疑を否認しながら2009年に死刑判決が下された。あれから26年、事件を再検証する衝撃のドキュメンタリー「マミー」。二村真弘監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 8/4
中村千晶 町のシンボルは“キノコ雲” 核燃料の生産拠点で暮らす人々の複雑な思いに耳を傾けたドュメンタリー「リッチランド」 アメリカ・ワシントン州南部にあるリッチランドは核燃料生産拠点で働く人々のために作られた。町のシンボルは“キノコ雲”。「川の魚は食べない」と語る人、原爆への複雑な思いを口にする人──町の人々に静かにカメラを向けた、映画「オッペンハイマー」のその後といえるドキュメンタリー「リッチランド」。アイリーン・ルスティック監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 7/28
中村千晶 「30分が限度だわ、あの人(母親)とサシは」 生身の家族事情を描く“琴線”に触れる一作 山々に囲まれた温泉宿に来た三姉妹と母親。長女・弥生(江口のりこ)は次女・愛美(内田慈)が選んだ宿に文句タラタラ。母親への愚痴もとまらず一触即発の二人を三女・清美(古川琴音)がなだめている。が、清美が用意したサプライズがさらに波紋を呼び──!? ペヤンヌマキによる同名舞台を脚色した「お母さんが一緒」。橋口亮輔監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 7/21
中村千晶 「ママに私を押しつけて、身勝手だと思わなかった?」 12歳の少女と、母を捨てて育児から逃げた父の物語 12歳のジョージー(ローラ・キャンベル)はロンドン郊外のアパートで独り暮らし。母の病死後、彼女は教師やソーシャルワーカーの目をかいくぐり、居場所を守ろうと知恵をめぐらせてたくましく生きてきた。そんなある日、父親だと名乗る怪しい男(ハリス・ディキンソン)が現れて──!? 「SCRAPPER/スクラッパー」で脚本も務めたシャーロット・リーガン監督に本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 7/14
中村千晶 「最後にまた何か大きな罠にはまってしまった」 スティーブン・キングらに影響を与えた鬼才をモデルにした異色心理サスペンス 1948年、短編『くじ』で一大センセーションを巻き起こしたシャーリイ・ジャクスン(エリザベス・モス)はスランプに陥っていた。夫のスタンリー(マイケル・スタールバーグ)は青年とその妻ローズ(オデッサ・ヤング)を居候させ、シャーリイの世話をさせるが──。実在の作家をモデルにした異色作「Shirley シャーリイ」。監督のジョセフィン・デッカーさんに本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 7/7
中村千晶 「花火は悲劇のたびに立ち上がってきた長岡の象徴」 新潟・長岡の花火大会を高精細度4Kで撮影 「一生に一度は行きたい」と言われる新潟県長岡市の花火大会。毎年8月2、3日の2日間で打ち上げられる花火には、空襲や新潟県中越地震など数々の苦難の歴史と「慰霊」「復興」「平和」の想いが込められていた──。2023年の花火を20台を超えるカメラで追った圧巻のドキュメンタリー「長岡大花火 打ち上げ、開始でございます」。監督の坂上明和さんに本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 7/1
中村千晶 名匠ホン・サンス監督が贈る人間ドラマ「WALK UP」 小さなアパートで暮らす男女を描いたモノクロームの世界 映画監督のビョンス(クォン・ヘヒョ)は娘のジョンス(パク・ミソ)とインテリアデザイナーのキム・ヘオク(イ・ヘヨン)を訪ねる。3人はワインを飲みながら話し込むが──。名匠ホン・サンス監督が地上4階、地下1階建ての小さなアパートを舞台に、ビョンスを取り巻く女性たちを描く「WALK UP」。主演のクォン・ヘヒョさんに本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 6/23
中村千晶 「障害のある人々を祝福したい」 実体験をセルフドキュメンタリーとして赤裸々に描いた一作 エラ・グレンディニングは股関節がなく大腿骨が短い、まれな障害のある女性だ。2018年に彼女はSNSを通じて自分と同じ障害のある人を探すセルフドキュメンタリーを撮り始める。そんな矢先、パートナーとの子を妊娠していることがわかり──。サンダンス映画祭ほかで話題となった作品「わたしの物語」。監督も務めたエラ・グレンディニングさんに本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 6/16
中村千晶 「自分が着くまで生きていて」 病気の元同僚のために800キロ離れたホスピスを目指し歩き始めた高齢男性 ハロルド・フライ(ジム・ブロードベント)は元同僚の女性から余命幾ばくもない、という手紙を受け取る。ハロルドは返事を書き、妻(ペネロープ・ウィルトン)に声をかけて郵便ポストへ向かう。だがそのまま800キロ離れたホスピスまで歩き出し──。累計600万部のベストセラー小説の映像化である「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」。原作者であり監督も務めたレイチェル・ジョイスさんに本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 6/9
中村千晶 市議会中継を5千人が視聴 元銀行員市長の“見える化”政治を追ったドキュメンタリー 人口2万6千人余の広島県安芸高田市では、2019年の河井克行・案里夫妻による買収事件で市長と市議3人が辞職。20年に元銀行員で37歳(当時)の石丸伸二氏が市長に当選する。だが議員たちとの溝が深まり──。すべての自治体、国政にも通じる問題を浮かび上がらせるドキュメンタリー「#つぶやき市長と議会のオキテ」。監督の岡森吉宏さんに本作の見どころを聞いた。 シネマ×SDGs 5/26