

ラリー遠田
ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。近著は『松本人志とお笑いとテレビ』(中央公論新社)。http://owa-writer.com/
道理で笑える ラリー遠田







「自称・破天荒」のノブコブ吉村が再評価される理由
ここ最近、バラエティ番組を見ている人の間で平成ノブシコブシの吉村崇の評価がにわかに高まってきている。そのきっかけとなったのは、昨年10月に放送された2つの番組である。同月6日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS系)では「中継先に現れたヤバめ素人のさばき方で芸人の力量丸わかり説」という企画が行われた。偽の生放送ロケ番組で、芸人がレポーターとして出演しているところに、雰囲気のおかしい一般人がしつこく乱入してくる。芸人がそれにどう対処するかというのが見どころだった。ここで最も上手く対応できていたのが吉村だった。奇声をあげたりして生放送を妨害する一般人に対しても笑顔を絶やさず、番組の空気を壊さないように巧みに対処していた。この企画はネット上でも大反響を巻き起こし、「吉村のことを見直した」と評価する声が多かった。


