水野美紀
水野美紀「ほんものの手裏剣」をサンタにお願いした我が子と、サンタと忍者が妖怪と戦うカオスな舞台の話
水野美紀さん
42歳での電撃結婚。伝説の高齢出産から4年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、我が子も楽しめる夢の舞台についてお届けします。
* * * 親子で楽しめる演劇を作りたい。前にも書いたが、ずっとそういう想いを持っている。
具体的に動き出してみようか、と思った矢先にコロナがやってきて、その想いは保留となった。先日、子供向けでは無かったけれど、新国立劇場で、作演した芝居を上演し、大変だったけれどありがたいことに高評価をいただき、再び演劇熱が高まって、保留になっていた親子向けの芝居を作りたい想いも再燃してきた。
4歳の我が子、そしてそのお友達、パパやママ。みんなが楽しめる夢のような芝居を作りたい。それは一体どんなものだろうか。
男の子も女の子も、子供が好きなものをたくさん詰め込んでやろう。最近はそんな考えを頭の片隅に、子供達を観察している。
今、うちの子が好きなものは何だろうか。忍者だ。
ハロウィンにはAmazonから届いた忍者コスチュームを着込み、夫のお手製のワラジを履いて近所を走り回った。
「今年はサンタさんに何のプレゼントお願いするの?」
と聞くと
「ほんものの手裏剣」
と即答された。
毎日、ネット配信の「忍者ハットリくん」を観たがる。忍者の一体何がそんなに子供に刺さるのだろうか。忍法を「かっこいい」と思うのか。「~でござる」というような独特な話し方が面白いのか。
ともかく忍者を登場させるのは決定だ。忍者のほかには、「はたらく細胞」「ゲゲゲの鬼太郎」「ドラえもん」などが好きだ。
鬼太郎には怖い妖怪がたくさん出てくるが、怖がりながらも、鬼太郎がやっつける姿を前のめりに見ている。「こなきじじいーー」と言いながら私の背中に乗っかってくる。
ちょっと怖いくらいが、ドキドキして面白いのかもしれない。
イラスト:唐橋充
「はたらく細胞」は、身体の中の組織や菌を擬人化して、外部から進入するウイルスなんかと戦う様子を描く、面白くてためになるアニメだ。
うちの子は特に、白血球の男子が声を張り上げて言う「ぐわあああああ!」「ううう」「ギエーーー!」などなどの「擬音」が好きで、同じところを何度も観たがる。
ここまでのことを整理すると、忍者が登場して、面白い擬音を多用しながら妖怪と戦うストーリーになる。なかなかハイカロリーな演劇だ。
エルサのようなプリンセスも登場させるべきだろう。
歌や踊りも必要だ。
それから、何かイベントを絡めるべきか。
たとえば誰かの誕生日。もしくはクリスマス。となるとサンタクロースも登場するのか?
セットは忍者屋敷のようにいくつもからくりを仕込んで。
プリンセスとサンタクロースと忍者と妖怪をどう絡めるかが問題だ。
クリスマスパーティーをお城で開催したプリンセス。みんなでパーティーを楽しんでいると、突然、妖怪が現れてみんなカブトムシにされてしまう。
それを知ったサンタクロースは忍者に助けを求める。そしてサンタクロースと忍者は力を合わせて妖怪と戦う。
カオス!
劇場という空間で、セットや音楽、照明という魔法を使って、こどもたちが没入できる、ワクワク、ハラハラ、大笑いするお話を作りたい。
「忍者~うしろ!うしろ!」
と子供たちに叫ばせたい。
叶えられたらいいな。
■水野美紀(みずのみき)俳優。ドラマ・映画・舞台で活躍中。<出演情報>Amazonプライムビデオ「ザ・マスクド・シンガー」が配信中。作・演出・出演した舞台『2つの「ヒ」キゲキ』のDVDの予約を10/31まで受付中(https://2hikigeki.official.ec)。レギュラー番組は、フジテレビ系バラエティ「突然ですが占ってもいいですか?」毎週水曜22:00~、読売テレビ「水野美紀の映画生活(シネマライフ)」毎週金曜22:54~<関西ローカル> http://www.ytv.co.jp/cinemalife/
【書籍『水野美紀の子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます。』好評発売中】
dot.
2021/11/04 11:30