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恋活イベントに参加したアラフォー記者の心が折れた瞬間とは?
イベントの様子
結婚したい!と思い続けて、既にアラフォー。おっさん記者が、出会いを求めて街コンイベントに初めて参加してみた。
彼女無し歴?年の独身おっさん記者は、結婚願望はあっても、最近ではもっぱら出会いすらもない。そんな時、編集部に「大型恋活イベントが開催!」というリリースが届き、企画会議で「独身男性の誰か参加して体験ルポで書いたら、面白いんじゃない」となった。その場にいた独身男性記者は3人。すぐさま「俺が参加します!結婚したいんで!出会いを求めに行ってまいります!」と立候補し、ワラにもすがる思いで参加してきた。
今回参加したのは、街コンジャパンが主催する“そのエリアで最大にして最高の恋活パーティー”とうたうイベント「LOVE FES(ラブフェス)」。街コンジャパンは昨年12月から、定期的にラブフェスを全国複数箇所で同日開催を行い始め、これまで計3回約6000人の男女が参加した。記者はその内、1月に全国14カ所で一斉に開催されたラブフェスで、関東圏の会場のものに参加した。
30代後半までという年齢制限があり、参加費は当日購入で男性が8000円、女性が2500円。男性には高額に感じた。前売りチケットや、複数人とのまとめ参加で安くチケットを購入することは可能だが、記者は当日チケットを購入した。
週末の夜、少しばかり服装を気にかけて、会場へ到着すると、まさかの長蛇の列。さっそく怖気つく。
会場について驚いたのは、思った以上に参加人数が多く、男性も女性もそれぞれ100人ほど。そして、何より意外だったのは、20代半ばの男性、女性の参加者が多いことだった。さっそく、自分が会場内でも最年長の部類に入ることを悟った。
受付を済ませると番号が書かれたネームカードを渡された。自分の名前または呼び名、趣味などを書き、身に着けた。会場では、番号付けられたテーブルが並んであり、それぞれ男女5人ずつほど立ち、立食やお酒を飲みながら会話をしていく。そして15分経過したら、男性たちが次のテーブルに移っていく仕組みだ。
午後7時、ついにスタート。こういったイベントが初めてなこともあって、何をどうしたらいいか、さっぱりわからない。しかも明らかに記者以外、男性も女性も年下ばかり。緊張で固まっていると、すると意外な助け舟が出た。同じく一人で参加しているという30代前半の男性が、記者を巻き込んで女性に話しかけ始めた。
とりあえず話すきっかけはつかみ、隣に立つ20代後半の女性2人組と話した。二人とも看護師だった。その内のひとり、理恵さん(仮名)と会話してみた。「良い相手が見つかればなとこういったイベントに参加してみました。今回で2回目。職場での出会いは嫌なので、友達と一緒に参加してますね」逆にこちらの身のうちを聞かれるが、無難な回答しかできず、5分ほどで会話が止まった。そのタイミングで席移動タイムに。ここで、同じテーブルにいた男性参加者が、「LINEを交換しましょう!」と女性2人に言ったおかげで、交換ができた。
男性陣がまとめて次のテーブルに移動すると、強烈な女性2人組がいた。推定30代半ばの女性2人組が、記者の向かい側に立った。誤解を招かないように表現するが、スナックのママかなと思われる風貌の2人組だった。とりあえずお互いに自己紹介。2人とも事務職だった。見た目で判断したのは間違いだった。
しかし、会話が始まって5分後、その2人組が、「ちょっとタバコ吸ってくるね」と会場外の喫煙所に行ってしまった。残された男性陣。なんとも気まずい空気が流れた。「お前ら期待外れだわ。時間の無駄だし、一服してくるわ」とは口には出さなくても、彼女たちの行動で十分伝わった。「こっちも興味ないわ!」と思いつつ挫折感を味わった。そのテーブルの時間が終了する頃にその2人は戻ってきた。当然LINEを交換しなかった。
次のテーブルに移動すると再び、友人と参加したという20代半ばの看護師2人組がいた。その内の一人、小春さん(仮名)は「こういう仕事でなかなか休日が合わせることができなくて、出会いもないんですよ。だから、こういうところに参加してみました」と愛想よく話してくれた。見た目も美人で、こんなところに来なくても、十分モテるだろうにと思うほど。もう一人の友人の看護師は、会場屈指の美人だった。しかし、人見知りする性格のようで、会話はほとんどできずじまい。
そして、最後のテーブルへ。今度は30代前後の、小学校で栄養士として働く女性3人組と話した。この頃にはだいぶ慣れてきて、上っ面トークだけはできるようになった。
4回ほど回るといよいよフリートークタイム。残り1時間ほど、自由に会場内を移動して、自由に話してくださいというアナウンスがされた。これがなかなかハードルが高かった。
実は、男性も女性も友人と参加してる割合が多い(様に感じた)。友人と組んで気軽に話しかけたり、かけられたりしてる姿が多かった一方で、一人で参加する男性には、よっぽどナンパしなれているとか、女性に一人で声かけることに抵抗がない限り、かなり心の障壁が高い。勇気を振り絞って声をかけてみたが、相手にされず凹んでしまい、次また別の女性に声をかけにいく気力がドンドン薄まっていった。
ただ、イベントでは、そういう個人参加の男性や女性が、少しでも楽しめるように工夫はしてある。「ネームカードにある趣味や特技が一緒の人に話しかけましょう!」とか「受付番号の数字が一緒の相手を探しましょう!」と定期的にアナウンスしてくれた。それによって、一人でもなんとなく話しやすい空気を生み出してはいた。
そして夜9時。イベントはついに終了した。疲れ果てていたところに、スタッフの方が「どうでしたか?連絡先を交換しましたか?」と声をかけてくれた。記者が「きつかったです。女性と何人か交換しましたが、これは無理と思います」とこぼすと、スタッフは笑顔で「そんなことないですよ。女性はメッセージ頂いたら嬉しいものですよ。ぜひ送ってみてください!」と励ましてくれた。
本当かな?と思いつつ、背中を押された勢いで、帰り道、LINEを交換した小春さん(仮名)に「また機会があれば、食事にでも行きましょう」とメッセージを送った。返信くるのかな…と思っていたら、自宅に到着する頃に返信が着ていた。
「ごめんなさい、お気持ちは嬉しいですが、私の追い求めている人とは少し違いまして…。お互い良い出会いがあるといいですね!」
ショックを通りこして思わず笑ってしまった。現実は厳しい。
気を取り直して、最初に話した理恵さん(仮名)に同様のメッセージを送ってみたら、今度は「行きましょう!」と返ってきた。そして数週間後に一緒に食事を楽しんだ。後に続くかはわからないが……。
さて、街コンジャパンを運営するリンクバルの担当者によると、こういった街コンイベントが増えてるそうだ。街コンジャパンで掲載されているイベントは、2017年は約11万件で前年比5割増で、イベント参加者数は17年は約98万人で前年比3割増と急拡大しているという。参加者の年齢層は、25~29歳が全体の半数を占め、30~34歳が次いで約25%だという。今回驚いたことに、大学生も参加していた。
また、今回記者が参加した独身男女が参加する単なる恋活イベントもあれば、共通の趣味で楽しむ恋活イベントもある。離島で1泊2日したり、スポーツ、アニメ、美術などと趣味ごとの恋活イベントもあれば、シングルファザーとシングルマザー向けのイベントもある。ひと昔前の単なる街コンイベントから、より細分化して、楽しめるようになってきている。
最後に、初参加した男性記者の感想をもとに、もし一度参加してみたいと思った男性読者(女性でも)がいれば、参考になりそうなことを書き記しておきたい。
1、一人で参加するなら羞恥心を捨てるべし。
2、初参加するなら1回目は慣れるための勉強と思うべし、2回目以降からが本番。
3、友人と参加した方がやっぱり良い。
4、LINEを交換しても顔と名前はお互いに覚えていない。思い出してもらえるような特徴を相手に植え付けよう。
5、期待はしすぎず、何かあったらラッキーぐらいが精神的ダメージは深くない。
出会いを求めてるのなら、ぜひ体験してみてはいかが。
※週刊朝日オンライン限定記事
週刊朝日
2018/03/08 00:00