書評『盗まれたエジプト文明 ナイル5000年の墓泥棒』篠田航一著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

盗まれたエジプト文明 ナイル5000年の墓泥棒 篠田航一著

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平山瑞穂書評#話題の新刊

 毎日新聞の特派員としてカイロに滞在した経験から、一歴史ファンの目でエジプト史を概観しようとして、行き着いたテーマが「盗掘」だったという著者。「エジプト史は盗掘の歴史でもある」というその弁に違わず、紀元前の時代からこの地は、ありとあらゆる略奪にさらされてきた。

 ピラミッドがあれば、「ここに財宝がある」と宣伝しているようなものだし、目立たないところに移しても、王家の墓は必ず暴かれてしまう。ナポレオンのように、国家的事業として大規模な略奪を行った人物もいる。ただ、相次ぐ盗掘こそが、埋もれていた古代文明の粋に光を当てたという一面もある。

 IS等のテロ組織が古代遺跡からの盗掘品を資金源にしているなど、盗掘は現在進行形のできごとでもある。かくまで長きにわたって盗まれつづけるエジプト文明への敬意を禁じ得ない。(平山瑞穂)

週刊朝日  2020年10月16日号


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