書評『つくもがみ笑います』畠中 恵著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

つくもがみ笑います 畠中 恵著

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若林 良書評#話題の新刊

 時代劇とファンタジーが組み合わさった人気シリーズの第3弾。「つくもがみ(付喪神)」とは、人から百年以上大切にされた品物がなる妖怪で、本作では人格をもった掛け軸やくしなどが活躍する。

 つくもがみたちは、料金をとって衣服や寝具を貸し出す江戸の損料屋でにぎやかに暮らしているが、騒動に巻き込まれるのは日常茶飯事。本作でも誘拐騒ぎ、タイムスリップ、幽霊退治など、次から次へと事件が起きる。

 これまでのシリーズでは、人間とつくもがみたちの会話にやや硬さが見られたものの、本作では両者が随分なじんだ印象だ。新しく登場する敵役も、最後はつくもがみたちと友人になる。ファンタジーではあるものの、個性あるキャラクターたちが一つに混ざり合う姿は、社会の理想形を見るかのようで心地よい。(若林 良)

週刊朝日  2019年5月3日‐10日合併号


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