書評『止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集』村瀬秀信著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集 村瀬秀信著

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栗下直也書評#話題の新刊

 タイトルの奇抜さから敬遠してはいけない。「野球にまつわる短編集」と聞けば既視感があるかもしれないが、これまでのスポーツノンフィクションと一線を画す一冊だ。

 表舞台から退いた老ライター、未完の大砲を追っかける熱狂的ファン、応援団を“正業”にする男、東京ヤクルトスワローズの野球選手を自称し全試合を作品にする絵描き、清原和博を慕い続けたPL学園の後輩。選手ではなく、周辺部の彼らの人生を描くことで、特定の球団や野球の魅力を浮き彫りにする。

 著者は自身をスポーツライターでなく“雑文書き”と称するが、ちりばめられた雑文にこそ、本流からはじきとばされた悲哀が転がっている。野球から離れてしまった人も、本書を読み終えたときには、球場に久々に足を運んでみたくなるはずだ。(栗下直也)

週刊朝日  2019年2月15日号


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