書評『すいません、ほぼ日の経営。』聞き手・川島蓉子 語り手・糸井重里 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《ベストセラー解読 (週刊朝日)》

すいません、ほぼ日の経営。 聞き手・川島蓉子 語り手・糸井重里

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永江 朗書評#ベストセラー解読

すいません、ほぼ日の経営。

川島蓉子,糸井重里

978-4822257866
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強欲とは対照的

 ゴーン前日産会長の強欲ぶりにはあきれた。すでに大金持ちなのに、さらにあの手この手でカネを得ようなんて。あそこまで金銭欲に取り憑かれると、むしろ不気味だ。あのカネも自動車の値段に含まれているのか。

 経営者ってなんだろう。会社の経営って、どういうものなんだろう。そんなことを思いつつ『すいません、ほぼ日の経営。』を開いた。川島蓉子による糸井重里へのインタビューである。

 株式会社ほぼ日代表取締役としての糸井が、経営について、組織について語っている。そこから浮かび上がるのは、ゴーン的な強欲世界(あるいはカネの亡者の世界)とは対照的な経営のあり方だ。

 ほぼ日は、インターネットサイトの「ほぼ日刊イトイ新聞」からはじまった。「ほぼ日手帳」をはじめとするさまざまな商品やサービスが生まれ、会社はあれよあれよと急成長。とりわけ東日本大震災の後は、被災地で事業をおこなったり、東京と京都に実店舗を持ったり。会社名も株式会社東京糸井重里事務所から株式会社ほぼ日に変え、とうとう17年3月にはジャスダック市場に上場までしてしまった。糸井ファンとしては、嬉しさと驚きと疑問が3分の1ずつといったところ。その疑問に答えるのが本書だ。

 会社なのに席替えがあるとか、毎週金曜日はひとりで考えるインディペンデントデーだとか、ユニークなところもいろいろあるけれども、基本はひとつだ。それは「たのしい。しあわせ。おもしろい」を、社員も消費者も感じられるようにするということ。経営者は「すいません」ぐらいの態度がちょうどいい。

週刊朝日  2018年12月14日号


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