「なぜ女性が家事をきちんとやらなければいけないのか」。誰もが答えに戸惑う疑問だろう。海外の事例や日本の歴史をふり返りながら考察する。

 日本はとにかく男性が家事をしない国であり、男性の負担率は世界平均の半分程度とか。「国によって文化は異なる」との意見もあるかもしれないが、日本の歴史をふり返っても、女性が一人で家事をしっかりこなすという習慣は、戦後の高度経済成長を支えた瞬間風速的な姿であることがわかる。社会が激変したにもかかわらず、その時に浸透した「手づくり神話」に、多くの女性が苦しんでいると指摘する。

「家事、手伝っています」と大声で叫ぶ男性が増えているが、本書を読めば「手伝っている」という脇役気分の意識こそが女性を苦しめているのかと反省してしまうかも。

週刊朝日  2017年12月22日号