「歴女」や「山ガール」のように、「灯台女子」を名乗る著者が綴る“灯台愛”に満ちた一冊。巻頭カラーページにある国内外の著名な灯台26基の写真が美しい。

 第1章ではアクセスが良く初心者でも楽しめる北海道から沖縄までの灯台約50基を紹介している。第2章では基礎知識として、日本にある3千基を超える灯台の運用の実情を報告。第4章では、働く人々の苦労として、学校や病院が遠く、食料や燃料の確保が難しかったことにも触れている。

 第5章では、灯台が近年、GPSの普及と省エネの推進で減り続けている一方、灯台の維持・保存に取り組む様々な活動が始まっている現状も紹介。「経済性、効率性だけを優先させて」は、人は幸せになれないと訴える。100年後にも灯台が残っていることを願う著者の想いが伝わってくる。

週刊朝日  2017年11月10日号