書評『はたらく動物と』金井真紀著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

《話題の新刊 (週刊朝日)》

はたらく動物と 金井真紀著

このエントリーをはてなブックマークに追加
土屋敦書評#話題の新刊

はたらく動物と

金井真紀著

978-4907239244
space
amazonspace

amazon.co.jp

space

 農作物被害対策として猿を追い払うモンキードッグとその訓練士。鵜と鵜匠、馬で田畑を耕して暮らす一家など、動物と人間をめぐる物語が収められたルポだ。

 何より動物と暮らす人たちの言葉に含蓄がある。犬の訓練士は「ほんとは猿、好きなんだよ」とつぶやき、人間が「いちばん困った生き物」と嘆く。

「わしは本は読まん。ぜんぶ鵜から学んどるで」と言う鵜匠は、3カ月間毎日野生の鵜の全身をなで続ける。

「おれの役割はこういうことか、とわかってくる。ほかの鵜からいろいろとはなしを聞いてな。それで、おれも一生ここにおる」と鵜が腹を決めるそうだ。

 著者は、相手の「味のある部分」を掬い取り、やわらかい言葉で伝えるのが天才的に巧い。その味わいに気持ちがなごみ、ときに胸が熱くなる。

週刊朝日  2017年6月2号


トップにもどる 書評記事一覧

続きを読む


おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事
あわせて読みたい あわせて読みたい