書評『日本会議の正体』青木理著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《ベストセラー解読 (週刊朝日)》

日本会議の正体 青木理著

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永江朗書評#ベストセラー解読

日本会議の正体

青木理著

978-4582858181
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安倍政権に強い影響

 なんで日本は急に右旋回しちゃったんだろう……唖然、呆然、慄然とする。ネットのせいなのか、民主党政権がスカだったからか。
 青木理『日本会議の正体』を読むと、こうなった背景が理解できる。
 日本会議は右派団体で、安倍政権に強い影響を与えている。閣僚にも関係者は多い。彼らの歴史や思想、運動方法、そして今後について、ジャーナリストが調査し、取材して書いたのが本書である。
「戦後日本の民主主義体制を死滅に追い込みかねない悪性ウィルスのようなもの」と青木はいう。
 日本会議はふたつの流れが合流したもので、ひとつは新興宗教の「生長の家」に関係した人びと。もうひとつは靖国神社を頂点とする国家神道の復活を望む人びと。国家神道は「村の鎮守の神様」とは違って明治以降につくられたイデオロギーだから、これも新興宗教といえる。
 そういえば公明党と関係の深い創価学会も新興宗教だ。安倍政権は新興宗教に支えられた政権だったのだなあ。
 日本会議の結成は1997年だが、源流は半世紀前の右派学生運動にある。彼らは地道に組織を広げ、影響力を強め、地方議会を動かし、国会に議員を送り、右派文化人を動かしてきた。元号法制化運動などの成功体験によって自信を深め、ついには内閣を牛耳るとまでいわれるようになったのだ。
『日本会議 戦前回帰への情念』(山崎雅弘著、集英社新書)や『日本会議の研究』(菅野完著、扶桑社新書)も併せて読むと、彼らがよくわかる。
 気をつけよう、勇ましいことばと日本会議。

週刊朝日 2016年8月19日号


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