小さな革命・東ドイツ市民の体験 ──統一のプロセスと戦後の二つの和解

話題の新刊

2015/11/26 13:05

 1989年。冷戦の象徴ともされた、東西ドイツを分断し続けたベルリンの壁は崩壊、翌年、ドイツは統一された。国のあり方が大きく変わっていくなか、東ドイツの市民たちは、どんなふうにこの激動に向き合っていたのか。
 当時、東ドイツの日系企業につとめ、現在もジャーナリストとしてベルリンに暮らす日本人の著者が見た、当時の東ドイツのリアル。旧東ドイツ時代に親しんだ、「おいしくない」食品などを買い求め、失われた“祖国”を感じる東ドイツ市民たちの姿など、当時、東西ドイツを自由に行き来することが許された、リーガル・エイリアンとしての著者の立ち位置ゆえの視点にも新鮮な発見が多い。タイトルにもある、「小さな革命」とは何なのか。なぜ「小さな」というのか。
 ドイツ統一から25年。ドイツが東西に分かれた国だったことをリアルで知らない世代も、すでに多く育つ。ドイツに多くのシリア難民が流入し、あらためて国と国とのあり方を考える機会も生まれた。2015年の秋だからこその一冊である。

週刊朝日 2015年12月4日号

小さな革命・東ドイツ市民の体験 ──統一のプロセスと戦後の二つの和解

ふくもとまさお著

amazon
小さな革命・東ドイツ市民の体験 ──統一のプロセスと戦後の二つの和解

あわせて読みたい

  • ベルリンの壁崩壊から30年 今も残る「壁」とは?

    ベルリンの壁崩壊から30年 今も残る「壁」とは?

    AERA

    12/2

    浜矩子「ベルリンの壁倒壊30年 東西の心の壁が生んだ極右躍進」
    筆者の顔写真

    浜矩子

    浜矩子「ベルリンの壁倒壊30年 東西の心の壁が生んだ極右躍進」

    AERA

    11/14

  • 不動産を「捨てられる」国・ドイツが抱える深刻な問題…“負動産大国”日本が学ぶべき教訓とは?

    不動産を「捨てられる」国・ドイツが抱える深刻な問題…“負動産大国”日本が学ぶべき教訓とは?

    dot.

    5/6

    ベルリンの壁崩壊後の旧東ドイツで出会う、孤独なひとびとの物語

    ベルリンの壁崩壊後の旧東ドイツで出会う、孤独なひとびとの物語

    AERA

    4/12

  • 内田樹「ドイツ総選挙に映った旧東独のナチス宥和」

    内田樹「ドイツ総選挙に映った旧東独のナチス宥和」

    AERA

    10/4

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す