「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気

話題の新刊

2015/10/15 11:58

「製作総指揮」。最近の映画でおなじみの肩書を西崎義展が日本で初めて使った事実はあまり知られていない。西崎は製作、宣伝、関連ビジネス全てを指示し、承認した。ワンマンの最たる存在だが、西崎が資金調達して、全財産を賭けているのだから、誰も文句を言えない。芸能畑出身の素人が常軌を逸した大胆さで理想を追い求めた結果、「宇宙戦艦ヤマト」は大成功を収めた。こだわりぬいた映像に加え、アニメ界に染まっていない感覚が宣伝や版権ビジネスの常識も変えた。
 とはいえ、その後の人生は穏やかでない。メディアに愛とロマンを語る一方、海外の映画祭には愛人を何人も連れ、クルーザーで登場。事業のつまずきで、自己破産した揚げ句、覚醒剤や銃火器所持で約8年の勾留・収監生活を強いられる。そして、70歳を超えての復活と謎の死。
 強烈な個性や虚実入り交じる発言に疲れ、離れていった関係者は多い。嫌悪の気持ちを持つ者も少なくない。ただ、多くの人を裏切っても、死ぬまでヤマトを愛し続けたことを本書は丹念な取材から浮き彫りにする。

週刊朝日 2015年10月23日号

「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気

牧村康正、山田哲久著

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「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気

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