集団的自衛権の行使容認をめぐる安倍政権のいいぐさは、インチキくさいくせに複雑で、ほんと、精神が疲弊する。昨年の特定秘密保護法をめぐる議論もそうだった。だからって術中にハマりたくはない!
 あの条文に難儀した人(あるいは読むのを断念した人)には「明日の自由を守る若手弁護士の会」による『これでわかった!【超訳】特定秘密保護法』をすすめる。日本語なのに翻訳が必要だってこと自体、いかにこの法律がねじくれているかの証拠。<日本には法律が1900くらいありますが、その中でも特に読みにくいものの一つ>とプロがいうのだから間違いない。
『超訳』はここを大胆不敵に突破する。なにせ「行政機関の長」は「大臣とか」、「特定有害活動」は「スパイっぽい活動」だからな。
<特定秘密を保有する行政機関の長は、他の行政機関が我が国の安全保障に関する事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために当該特定秘密を利用する必要があると認めたときは、当該他の行政機関に当該特定秘密を提供することができる>とは第6条の冒頭。これでもまだわかりやすい部類の条文なのだが、別表を参照しなければならないのがわずらわしい。
 超訳は別表の中身も加えて<「秘密」を持っている大臣とかは、他の省庁が日本の安全保障に関する仕事のうち「外交」「防衛」「スパイっぽい活動」「テロ防止」に関わる仕事をするために、自分のところの省庁で持っている「秘密」が必要だと思うときには、「秘密」を他の省庁にわたすことができます>。
 この法律の何が問題かも、きっちり解説。言葉のわかりにくさだけでなく、曖昧な表現が多いのも秘密保護法の特徴なのだ。<法律の中でところどころ登場していた「別表」は、簡単に言えば「特定秘密に指定できちゃう情報リスト」です。/結論=際限なく特定秘密に指定できる!>。だまされないための虎の巻。廃止をめざす必携マニュアルだ。

週刊朝日 2014年7月11日号