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学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方
話題の新刊
2013/05/09 12:48
「学者芸人」を名乗る著者は、お笑いコンビ「米粒写経」で活動しつつ、早稲田大学大学院の博士課程を出た異能の人。本書は、200冊超の辞書をコレクションする日本語学研究者としての分析力に芸人としてのプレゼン力が加わった、これまでにない辞書論だ。
それにしても、辞書を「引くもの」ではなく「読むもの」と捉え直してみると、こんなにも面白い世界が開けてくるとは知らなかった。何冊も買い揃えないから気づかなかっただけで、読み比べてみると多種多様な編集方針があり、語釈があることに気づかされる。「ことばは常に生きていて、時代にあわせて姿を変えていきます」という著者。ことばの正しい意味を提供するだけが辞書の役割だと思っていてはもったいない。その正しさ自体が変化してゆくさまを味わうことも大切なのだ。
後半では、読者が自分にぴったりの一冊を見つけられるよう、辞書を擬人化している。「都会派、インテリ眼鏡の委員長」や「白衣が似合う友」などなど……本書を読み終わるころには、きっと新しい友人=辞書が欲しくなっているハズだ。
週刊朝日 2013年5月17日号
学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方
サンキュータツオ著


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