写真はイメージ/GettyImages
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 就活生の人気が高い企業は、そのぶん内定を勝ち取るのも困難だ。大学通信は毎年、大学ごとの卒業生(大学院進学者を除く)に占める「有名企業400社」への就職者数の割合を「実就職率ランキング」として公表している。このうち、商社と金融のランキングに注目して、上位大学の顔ぶれをみていこう。現在発売中のAERAムック『就職力で選ぶ大学2022』(朝日新聞出版)から紹介する。



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 経済誌などが実施している「就職に強い大学」ランキングでトップクラス常連の一橋大。商社への就職でも強さを発揮している。表は、有名企業400社のランキングのうち、商社13社への実就職率を示したものだ。一橋大は5大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)にまんべんなく就職者を出している。大学通信常務取締役の安田賢治さんはこう話す。

「一橋大からは伝統的に5大商社に多くの就職者が輩出しています。先輩から話を聞いて、自分も、と憧れるのでしょう。優秀な人材を大勢送り込んでおり、業界全体にとっても貢献しているといえます」

 一橋大の学生を鍛えるのが、充実したゼミ群だ。全学部で少人数のゼミが必修となっているほか、全学生を対象にした教養ゼミもある。さらに同大ならではの特徴的なゼミが、同窓会組織・如水会による「如水ゼミ」だ。卒業生が学生を指導するゼミで、キャリア教育の一環として開講されている。

 金融、商社、広告、マスコミ、国際関係など業種ごとに設定されており、例年春夏学期、秋冬学期でそれぞれ8~10のゼミが開講されている。如水会事務局長の三輪隆司さんはキャリアゼミについて、次のように話す。

「各業界の卒業生がボランティアとして講師を務めています。仕事の内容について学ぶことはもちろんですが、卒業生の人柄を通して業界を知るという側面もあります」

 前出の安田さんは、難関大の学生ほど海外志向が強く、世界を股にかけて活躍したいという学生が多いという。商社はその活躍の舞台になる。三輪さんも「一橋大は、国際社会で活躍できる人材を育成する教育をしている」と言う。

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国際系の大学が上位に