「5大商社の仕事は、物の動きから事業投資へと変わってきています。学生は、いかに自分が世界に貢献できるか、ビジョンをもって臨んでいると思う」(三輪さん)

 2位以下には東京外国語大、国際教養大、国際基督教大など、国際系や語学系大学がランクインした。また早稲田大や上智大など、国際系の学部をもつ大学も強い。

「やはり商社は語学ができるほうが有利。大阪大(7位)は07年に大阪外国語大と統合して外国語学部を設置した背景もあり、語学に強い学生が多いです」(安田さん)

 金融編もトップは一橋大だ。安田さんによると、特に3大メガバンク(三菱UFJ、みずほ、三井住友)に強いという。

 2位には東京女子大が入った。早稲田大や同志社大を抑え、女子大ではトップ。同大キャリア・センター課長の森田光則さんは、「今年はコロナ禍で就職活動も困難を極めたけれども、学生たちがしっかり考えて、努力した結果」と話す。

 安田さんは、「伝統的に女子大は銀行に強い。以前は短大生を一般職として採用していたが、短大が減り女子大に移行した」と解説する。

 森田さんは、東京女子大の強さを次のように話す。

「金融、特にメガバンクが業務形態を変え、窓口の一般職を減らし、求人も減りましたが、女性の活躍の場は広がっているともいえます。近年は本学では総合職を選び、男女にとらわれず活躍したいと希望する学生が増えています。また、本学のOGが配属先で活躍し、評価を得ていることも本学が金融に強い理由だと思います」

 東京女子大は金融だけでなく、全体の就職率も好調だ。「大学ランキング2022」(朝日新聞出版)の「卒業生1000人以上2000人未満の就職率」では12位で、女子大では2位にランクインした。その理由を、森田さんは次のように話す。

「学生一人ひとりに担当者をつけ、適切なサポートを行っています。また、年齢の近い女性社員を招き、業界、仕事、生き方などをうかがい、将来をイメージできるようなイベントも行っています」

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地方の大学もランクイン