このほか、山脇さんの著書の中では台湾名物「魯肉(ルーロー)」を巻いたオニギリや、ちまきやおかゆなどの作り方も紹介。おうちで作って旅行気分を味わいましょう。


みんな大好き!あの「魯肉飯」も「台湾オニギリ」に(提供/主婦の友社『台湾オニギリ』より、 撮影/松木潤)
みんな大好き!あの「魯肉飯」も「台湾オニギリ」に(提供/主婦の友社『台湾オニギリ』より、 撮影/松木潤)

■   台湾の米料理はなぜ「おいしい」のか

 巻いて楽しい「台湾オニギリ」、いかがでしたか。

 最後に、台湾のお米にまつわる話をひとつ。パラッとした食感に炊き上がるインディカ米が主流の他のアジアの国のメニューとは異なり、台湾のお米料理はモチッとした触感が特徴です。

「他のアジアの国と比べると、日本人には台湾のお米はおいしく感じませんか?。それは、私たち日本人にとって、“なじみ深い味”だからなのです」

 山脇さんによると、台湾で一般的なコメの品種のルーツは、1895年から第二次世界大戦終戦までの間の日本統治時代に持ち込まれた日本のコメにあるといいます。農業技術とともに台湾わたり、その後、独自に「進化」したのです。

「日本統治時代、日本人の農業技術者が日本のコメ(ジャポニカ種うるち米)をベースに交配や改良を重ねて、台湾の風土に合う米を生み出しました。それに合わせて穀倉地帯が全土に広がっていきました。戦後、台湾の人たちは改良を重ね、さらにおいしいお米に育てたのです」

 飯團(ファントワァン)のほかにも、魯肉飯(ルーローハン)などののっけどんぶり、ちまきやおかゆなど、私たち日本人を魅了するバラエティ豊かな台湾の米料理。その背景にある両国の歴史に思いをはせて味わってみてはどうだろうか。

具はキムチや漬物でもOK。手軽に作れておいしい台湾オニギリ(提供/主婦の友社『台湾オニギリ』より、 撮影/松木潤)
具はキムチや漬物でもOK。手軽に作れておいしい台湾オニギリ(提供/主婦の友社『台湾オニギリ』より、 撮影/松木潤)

(写真提供:主婦の友社『台湾オニギリ』より 撮影/松木潤 取材・文/スローマリッジ取材班 内田いつ子)