この「インクジェット7色印刷」に網点はなく、グラデーションに優れた繊細で美しい描写力がある。デメリットは価格が高いこと。銀塩プリントも「DreamLabo 5000」と同様に高画質だが、より柔らかい雰囲気に仕上がる。

「『液体トナーの4色印刷』も一般的に使用するには十分に美しいですが、より高画質にこだわる『玄人向け』には、DreamLabo 5000がオススメです。ただ、同じ印刷方式でも、印刷設定等の違いにより色調が変わるため、フォトブックメーカーごとに仕上がりの傾向が違います。『フォトブックマニア』では、同じ画像で実際に印刷したフォトブックを比較しています」(フォトブックマニア)

インクジェット7色印刷。粉体トナー4色と比べるとグラデーションがなめからで、繊細な色合いが再現されている(提供/フォトブックマニア)
インクジェット7色印刷。粉体トナー4色と比べるとグラデーションがなめからで、繊細な色合いが再現されている(提供/フォトブックマニア)

 次に、サービスごとに特徴があるのが製本(とじ方)。主に「合紙とじ」「無線とじ」「糸とじ」「リングとじ」の四つがある。本文用紙を束ねた背にのりを塗って固める「無線とじ」は素早く、安く仕上げられるので、フォトブックでも多用されている。ただ、ノド(とじ目)の開きが悪いために見開きで写真を配置しづらいのが難点だ。

 そのため、最近ではより強力なのりを使ってノド部分を広げやすくした「PUR製本」も普及してきた。とはいえ製本の性質上、完全にフラットとはならない。

 その点、「合紙とじ(合紙製本ともいう)」はノド部分が180度フルフラットに開ける。写真を見開きで展開できるので、レイアウトの自由度が上がる。背に糸を通してとじる「糸とじ」は、無線とじよりはノドまで開きやすく、高級な製本様式である上製本も可能になるが、採用している会社は少ない。「リングとじ」は、用紙に開けた穴にリングを通してとじる製本方法で、カジュアルな雰囲気で価格も安い。

「合紙とじ」はノド(とじ目)に写真が制限されないので、迫力を最大限に表現できる(提供/フォトブックマニア)
「合紙とじ」はノド(とじ目)に写真が制限されないので、迫力を最大限に表現できる(提供/フォトブックマニア)

 これらのとじ方と、「ハードカバー」「ソフトカバー」の組み合わせでブックの雰囲気はガラリと変わる。

「高級感のあるしっかりしたフォトアルバムにしたいのならば、合紙とじのハードカバーをオススメします。無線とじより合紙とじのほうがページが厚くなり、折れにくく、長期保存したい大切なアルバムとして最適です」(同)

 印刷と製本が決まったら、あとは価格とのバランスでサイトを決めるといいだろう。 

取材・文=作田裕史(アサヒカメラ編集部)
写真提供=フォトブックマニア  

※『アサヒカメラ』2020年1月号より抜粋。本誌では、主要なフォトブックサービスの仕様や価格を比較した一覧表を掲載。またプロの写真家2人が「写真の選び方」「レイアウトの仕方」なども解説しています。