渓流や滝の場合は、シャッター速度によって水の描写が変化する。
高速シャッターで水を止めて写すとリアルで現実的なニュアンスが高まり、スローシャッターで水をブラして写すと神秘的に品よく見える、といった具合に、写真の雰囲気が変わってくる。

紅葉、特に晩秋は高速シャッターで「リアルな風景」として見せるよりもスローシャッターで、記憶を思い起こさせるような表現をしたほうがきれいに見える。
シャッター速度はデジタルカメラであれば、実際にシャッターを切って、画像を確認して決めればよい。
渓谷や滝では沢風によって葉がブレやすいので、ブレの許容量とのバランスを勘案してシャッター速度を決める必要がある。
写真・文=辰野 清
※『アサヒカメラ』2019年10月号より抜粋