確か今年は冷夏の予報だった気がするが、梅雨が明けてみれば例年どおりの猛暑。毎日30度超えの日々が続く。毎年5月あたりから30度超えの日が出てくるようになるが、わが家では気温が28度あたりをうろつくようになると、途端、お茶の消費量が増える。

夏バテ防止に最強? 簡単「酢しょうが」の作り方

 わが家は4人家族。そのため、1日5リットルのお茶が消えていく。そのため買っていてはキリがないので、日々水出し麦茶やほうじ茶を沸かす。
冷蔵庫にはそれら作ったお茶が並ぶのだが、その中の1つがアイスティー。このアイスティーが家族にめっぽう評判がよく、数年前から作り始めた。それまでもアイスティーは何度も作っていたが、出しても家族の反応はあまりよくなく、

「麦茶でいいや」というもんだった。

 それがある人に教えてもらった作り方に変えた途端、「このアイスティーおいしい。もっと作って」とリクエストまでされるようになったのだった。

■「フランス人は、イギリス人より紅茶を知っている」

 ある人とは、生粋のフランス人のマダムだった。数年前の夏、とある出版パーティでそのマダムにお会いした。その日、マダムは会場のホスト役で、来たゲストたちにアイスティーを配っていた。

 暑い中、やっと会場についた私にとってそのアイスティーはまさに至福の味! 明らかに“市販の味”ではないことはすぐにわかった。

 会場には大きなアクリルのボウルにアイスティーが作られており、それを同じくクリアなアクリルのお玉でグラスに1杯ずつ注ぎ、ゲストに配っていた。

「手作りだ」と察した私は、すきを見て、マダムにアイスティーの作り方を聞いた。
するとマダムは開口一番、こう私に問いかけた。

「あなた、まさかグラスに氷をいっぱい入れたところに、出来上がった熱い紅茶を注いでいないでしょうね?」。

 まさにそのとおりで、アイスティーなんてもの、そうやって作るものだと思っていたので、頷く。

「ダメよ、そんな野蛮な作り方をしちゃ。紅茶の渋みだけが出た、おいしくもないアイスティーしかできませんよ」と叱責された。

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“紅茶を愛するフランス人”のプライド