表1にあるように、今年の私立大は一般入試の志願者が大きく伸びた大学が多かった。トップは近畿大の2万6981人増だ。志願者総数14万6896人で4年連続の日本一の志願者数となった。2位の法政大は1万7230人増で11万9206人となり、近畿大に次いで初の2位になった。3位の東洋大は1万6294人増で、志願者数は10万1180人となり初めて10万人の大台に乗った。この他にも日本大、早稲田大、明治大が志願者を増やし10万人超えだ。17年は10万人を超えた大学が史上初めて6校にもなるほど私立大が人気を集めた。


【表2】
【表2】

 次に表2の学部別に志願者が増えたところを見てみよう。もっとも増えたのが近畿大・経済学部の5859人増、続いて近畿大・経営学部の4421人増、法政大・経済学部の4275人増だ。経済学部を中心とした社会科学系の志願者増が目立っている。私立大全体でも経済、経営学部は前年比それぞれ15%以上増えている。

 これだけ志願者が増えれば入試は厳しくなるが、今年はさらに入試が厳しくなる要因があった。それが大学の定員厳格化だ。

 これは文部科学省が学生の大都市集中を防ぐことを目的に実施されている。地方大学の学生募集が厳しいため、大都市圏の入学者を減らすことで、地方の大学の学生を増やし地方創生につなげていく政策だ。

 これは国公私すべての大学を対象に行われているが、国公立大ではそれほど入学定員を超過して入学させていない。大規模私立大の場合は制限が厳しい。

 入学定員2千人以上の大学は、15年まで入学定員の1.2倍未満を入学させても国からの助成金が支給されていた。それが16年から段階的に割合が下がり、18年には1.1倍未満までにしないと助成金をもらえないことになった。

 つまり、15年までは入学定員2000人の大学では、最大で2399人にまで入学させても助成金がもらえた。それが来年には最大で2199人に減らさないといけなくなる。つまり最大200人減らすことになる。

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文科省の方針で合格者数も減少