昨年オフに史上初めて行われた現役ドラフト。出場機会に恵まれない選手の飼い殺しを防ぐという趣旨だったが、投手では大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神)が先発の柱となり、野手では細川成也(DeNA→中日)がクリーンアップを任されるなど、早くもチームに欠かせない存在となっている選手が出てきている。しかしその一方で、今のところこの機会を生かすことができていない選手がいることも確かだ。(文中の成績はすべて5月14日終了時点)
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まず投手で苦しんでいるのが松岡洸希(西武→日本ハム)だ。今年で23歳という若さと、昨シーズンの後半に二軍で結果を残したこともあってリリーフ陣の苦しい日本ハムから指名を受けた。しかしキャンプ、オープン戦でも結果を残すことができずに二軍スタートとなると、シーズン開幕後も昇格を果たすことはできていない。また二軍の成績も6試合(うち5試合は先発)に登板して防御率9点台に沈んでいるのだ。跳ねるようなフォームが特徴の本格派サイドスローで、その素質の高さは誰もが認めるところだが、課題のコントロールはなかなか解消されていないのが現状だ。チームでは同じサイドスローの鈴木健矢が今年先発としてブレイクしつつあるだけに松岡もそれに続きたいところだが、まずは昨年の良かった時の状態に戻ることができなければしばらく二軍暮らしが続くことになりそうだ。
投手ではその日本ハムから移籍した古川侑利(日本ハム→ソフトバンク)もここまで結果を残せないでいる。将来性を加味しての評価だった松岡とは違い、昨年一軍の戦力になっていたこともあって1年目から一軍の戦力となることが期待されていたが、ここまでは5試合、6回を投げて3失点、防御率4.50と思うような結果を残すことができていない。ただ古川に関しては放出した日本ハム、獲得したソフトバンク、どちらにとっても不可解と感じているファンも多いのではないだろうか。日本ハムは古川を放出したことで昨年も苦しかったブルペンがさらに手薄になった印象が否めない。一方のソフトバンクはロッテからオスナを獲得したことで当面のリリーフ陣にはそこまで困っていないように見える。他の選手との兼ね合いも当然あるかもしれないが、このままいくと古川は日本ハム時代以上に苦しい立場となる可能性が高いだろう。