島田珠代(撮影/中西正男)
島田珠代(撮影/中西正男)

今、話していても涙が出てくるようなありがたい支えをいただき、何とか舞台に立たせてもらってきたんです。

だからこそ、これは昔も今も変わらないんですけど、常に「今しかない」という思いだけは強く持ってきました。「これを逃したら、もうチャンスがない」。一回一回その思いでのぞんでいます。

すみません、これはすごく生々しい話になるんですけど、私、男性との営みというか、それに対してすごく恐怖心があったんです。

こんな私ですけど、若い頃は何人かの方にはお付き合いの申し出をいただいたこともありました。でも、全員お断りしてきました。そうやって男性と関係を持ったら、魔法が解けるというか、もう舞台でウケないと思っていたんです。

というのは、舞台で男性の股間を指ではじいて「チーン」というようなことをやっている中で、プライベートで男性との営みがあったら、それをやった時に下品さや雑味が出るんじゃないか。逆に言うと、何もないからこそ「チーン」をカラッと笑ってもらえる。なので、もし男性との関係があったらウケなくなるし、舞台にも上がれなくなるんじゃないかと。そこはかたくなに自分としては思っていて。

あと、女性として見られるということにもすごく敏感だったと思います。例えば、テレビ局のスタッフさんに「なんか、色っぽくなったんじゃない?今日のアイシャドーも似合ってるよ」と言われたら、ひとまず「ありがとうございます!」と言いながらすぐトイレに行ってアイシャドーを拭き取ってました。

もちろん、人前に出る仕事ではあるので身ぎれいにはすべきなんですけど、そこから「色気が出たね」と言われたりすると、自分としては「これはダメだ」と。

最近は見た目のことをアレコレ言うことがダメとされる世の中になっています。それはそれで社会としては大切なことだと思うんですけど、私は逆に「ブサイク」と言われている方がずっとうれしいですし、吉本ではブサイクの方がプリンセス。今の世の中でその是非がどうなのかは分かりませんが、少なくとも、私はそんな思いでやってきました。

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今は娘の力がすごく大きい