
これまで、自民党でも、野党でもない「第3極」を模索してきた維新。統一地方選や衆参補選の結果次第では、自公連立政権との接近か、立憲民主党とのさらなる共闘か。それとも立憲民主党を追い抜き野党第1党として政権と真っ向から激突するのか、どの路線をいくのか明確になってくる。
一方、維新と「共闘」の立憲民主党だが、支持率が上がる様子はなく、今回の統一地方選で躍進する材料は見当たらない。
立憲民主党のある衆院議員は、
「党幹部が、国対の予算で維新の議員と一杯やって関係を深めろと言ってくるくらいです。立憲独自で自公政権を倒すなんて到底無理だから、幹部もカネ使ってでも維新をと言うのです」
と苦笑する。
維新のある国会議員がこう話す。
「維新としては立憲民主党を上回って、野党第1党を目指していくのが正攻法ではないかというのが国会、地方議員の大勢の意見です。馬場代表の掲げる600議席を超えればますますその勢いは加速するはず。達成できれば当然、“吉村知事”という看板で十分に戦えるという裏付けにもなります。立憲民主党とはとりわけ防衛政策に違いがありすぎて、今やっている共闘でも不満があがるくらいですから、これ以上は無理でしょう」
そこで狙いをつけているのが、公明党の衆院の議席だ。
今回も維新は「おひざ元」の大阪府議選や市議選では公明党と“ガチンコ”の選挙区もある。
維新の目玉政策「大阪都構想」。大阪市議会では過半数の議席がなく、公明党の協力が実現には不可欠だったこともあり、その「見返り」に大阪府や兵庫県の衆院選では一定の協力関係がみられた。維新は、大阪府と兵庫県で、公明党がいる計六つの小選挙区に候補者を擁立していない。自民党も維新と同じ構えで、公明党の「指定席」と化している。
こうした状況に対し、前出の維新の国会議員は、
「衆院で公明党の六つの小選挙区から一つ、二つでも議席を獲得すれば比例代表の数も増えます。大阪都構想は2度、住民投票で否決されており、仮に統一地方選で勝ったとしても再挑戦は厳しい。公明党との関係を終わりにして六つを取りにいくべきだという意見がかなりあります。統一地方選と衆参補選の結果次第では、岸田首相が早期の解散に打って出る、という見立てもあります。そこで公明党を負かして与党第2党となる。吉村人気が高いうちに勝負すべきだと思っています」
と次の狙いを語る。
