呼吸器系・消化器系の不調が花粉症の症状を悪化させているかも ※写真はイメージです (c)GettyImages
呼吸器系・消化器系の不調が花粉症の症状を悪化させているかも ※写真はイメージです (c)GettyImages

 あなたは花粉症ですか? 毎年スギ花粉シーズンの盛りには、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ……、そんな不調に毎日うんざりしている人も多いのではないでしょうか。日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」では、体質を整えることでつらい花粉症の症状を穏やかに改善できると考えます。この記事では4つのタイプ別のすぐに取り入れられる【花粉症養生法】を専門家が紹介します。

【教えてくれた菅沼 栄先生(中医学講師)はこちら】

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■呼吸器系・消化器系が弱いことが花粉症を招く要因?

 花粉症は、自然界の邪気「風邪(ふうじゃ)」が花粉を連れて身体に入り込むことで起こる症状と考えます。身体の抵抗力が足りない体質の人(「気虚(ききょ)」体質と呼びます)は、風邪(ふうじゃ)が侵入しやすく、花粉症の症状も強く出やすいので気をつけて。

 特に注意したいのは、呼吸器系が弱い「肺気虚(はいききょ)」、消化器系が弱い「脾気虚(ひききょ)」の人。「肺」の働きが弱くなると、邪気の侵入を防ぐ鼻や皮膚の防衛機能が低下します。その結果、風邪(ふうじゃ)が侵入しやすく、花粉症にかかりやすい状態に。また、消化器系(「脾胃」)が弱くなると水分代謝の悪化を招き、多量の鼻水、鼻づまりといった不調が起こりやすくなります。

【チェック】花粉の季節を乗り切るタイプ別養生法

 一口に花粉症といっても、中医学の考え方ではその原因によって症状や養生法もさまざま。4つのタイプの花粉症対策で、つらい季節を少しでも楽に過ごしましょう。

【タイプ1】かぜに似た「寒(かん)」の花粉症

<気になる症状>
かぜの初期と似た症状:身体の冷え、顔色も白く、透明で水っぽい鼻水

<改善ポイント>

「風寒(ふうかん)」という邪気の侵入で起こる「寒」の花粉症は、かぜの初期と似た症状が特徴。身体が冷え、顔色も白く、透明で水っぽい鼻水が出るのが特徴です。口が渇くことはありません。

 冷えを取り除くことが大切なので、身体を温めるようにしましょう。しそ茶やシナモンティーなど、香りの良いお茶を楽しむのがおすすめです。身体を温めながら花粉を洗い流せるお風呂も効果的なので、ゆっくりお湯につかるようにしてみてください。

<摂り入れたい食材>
身体を温め、冷えを発散させる食材を。
しそ、ねぎ、しょうが、三つ葉、春菊、香菜(パクチー)、シナモンなど

身体を温め、冷えを発散させる食材「しそ」 photoAC
身体を温め、冷えを発散させる食材「しそ」 photoAC
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目の充血がみられるタイプの養生法とは