※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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女性の良性疾患である「子宮筋腫」と「子宮内膜症」。週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から得た回答結果をもとに、手術数・治療数の多い病院をランキングにして掲載している。ここでは、「子宮筋腫・子宮内膜症」の解説記事とともに、それぞれ手術数が多い病院トップ20を紹介する。

【ランキング】子宮筋腫手術数トップ20!1位は神奈川県の病院

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【最新動向と治療法選び】

 子宮筋腫があっても、症状がない場合や筋腫が小さい場合、治療は必要ない。ただし、症状が重く日常生活に支障をきたす場合には早めに受診し、治療を受けることが望ましい。

 子宮筋腫はどこにできるかにより、「粘膜下筋腫」「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」に分けられ、症状が異なる。子宮の内側にできる粘膜下筋腫が「いちばん症状を起こしやすい」と、大阪大学病院の木村正医師は話す。

「粘膜下筋腫は2センチほどの小さなものでもひどい過多月経などの症状が起こります。一方、漿膜下筋腫は10センチほどの大きさになっても症状がほとんどないこともあります」

 治療法には、大きく分けて薬物療法と手術・処置がある。治療するか、しないか、する場合は薬物療法か手術・処置かという選択のポイントは「症状」と「妊娠の希望」だ。

 過多月経や月経痛などの症状がつらい場合、まずは薬物療法が選択される。月経痛に対しては鎮痛剤や低用量ピル、過多月経による貧血には鉄剤などが処方される。GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アナログ製剤という薬を投与し、筋腫を成長させる女性ホルモン(エストロゲン)の産生を抑えて筋腫を縮小させる「偽閉経療法」という治療法も。治療中は月経が止まり症状が改善するが、骨粗鬆症などのリスクがあるため6カ月までしか継続できない。また、治療をやめると筋腫は元の大きさに戻ってしまうため、手術まで、あるいは閉経までの一時的な治療法として選択される。

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手術には、「子宮筋腫核出術」と「子宮全摘術」がある