グループリーグ初戦のドイツ戦で大金星を収めた日本代表
グループリーグ初戦のドイツ戦で大金星を収めた日本代表

 サッカー日本代表は23日、カタールW杯のグループリーグ初戦でドイツ代表と対戦。戦前の予想では強豪のドイツ代表が圧倒的に有利との見方も多かったが、見事に前評判を覆し「2対1」で逆転勝利を収めた。

 今回のW杯では、アジア最終予選での苦戦などもあり、決して期待値が高かったチームとは言えなかったが、いきなりの“ジャイアントキリング”で世界を驚かせた。

 過去のW杯でのサッカー日本代表の戦いぶりを振り返ると、期待が高いほど苦戦し、低いほど躍進するという傾向がある。

 カタール大会とは対照的に前評判が高かったのが2006年のドイツ大会と2014年のブラジル大会だ。

「ドイツ大会は、日韓大会を経て海外でプレーする選手も増えた。中田英寿、中村俊輔など各国リーグで結果を残す選手もおり、日本中から期待され、チーム内にも浮ついた空気もあった」(欧州在住サッカーライター)

「ブラジル大会は海外組がさらに増え、選手個々の自己主張も強くなった。アジア杯を勝ったことで過信に近いものも生まれていた。チームが同じ方向を向くことができれば大きなパワーを発揮できただろうが、最後まで1つにまとまれなかった部分もある」(サッカー協会関係者)

 結果はいずれの大会も1分2敗で敗退。グループリーグでは初戦に逆転負けを喫し、2戦目は引き分け、3戦目には優勝候補のブラジル(2006年)、コロンビア(2014年)に大敗して、世界のレベルを痛感して大会を去ったことなど類似点も多い。

 一方で、大会直前に4連敗を喫するなど全く勝つ気配のなかったのが2010年の南アフリカ大会。だが、大会に入ってから岡田武史監督が急遽、戦術を守備的に変更したことが奏功し、グループリーグを突破。また、前回のロシア大会でもW杯直前に監督が交代するなど、ゴタゴタがあったが、西野朗監督が指揮したチームは史上3度目となるグループリーグ突破を果たした。決勝トーナメント1回戦でもベルギー相手に健闘するなど、良い意味で期待を裏切ったと言える結果となった。

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期待が高いほど結果を残す理由は?