パトリック・ハーランさん
パトリック・ハーランさん

「生活保護」の状態から、奨学金や借金でハーバード大学に進学したパトリック・ハーラン(パックン)。借金と奨学金を返済し、投資をスタートしてから早25年以上のパックンが、失敗も乗り越えて見出した「投資のコツ」とは? 円安、物価高が続く日本で損しない「パックン式 お金の育て方」を最新刊『パックン式 お金の育て方』から一部を抜粋・再編して大公開します。

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■投資のリスクが分かれば、どうすれば安心なのかわかる

 まずは、一文で終わる怖い話をから始めましょう。

 もし一つの会社の株に全財産をかけたとして、その企業が倒産したら、血と汗を流しながら貯めてきた財産が水の泡……。ヒ~~!

 だけど、100社の株を持っていたとしたら、たとえそのうちの1社が倒産しても、ほかの会社が生き残れば、あなたの財産は大丈夫ですよね!

 これが、僕がみんなに絶対伝えておきたい投資のコツ、「分散投資」です。

 株価は長期的には伸びていく傾向があります。

 もちろんすべての会社の株価が伸びるとは限りません。競争に負けて、失速する会社、潰れる会社も中にはあります。

 そのような会社の株に投資をしたら、やっぱり損をしてしまいますよね。

 つまり、投資って簡単ではありません。このあたりのリスクはちゃんと覚えておこう。

 僕も投資歴25年以上で結構長いほうだけど、株価の予測は相当難しいです。

 だから、分散投資をして、リスクを下げることが大事なのです。

■「分散」投資をして、リスクをカバーしよう

 分散投資のコツは、いろいろなタイプの銘柄に投資先を分散することにあります。

 株式と一口に言っても、銘柄ごとに値動きの傾向が違います。

 たとえば、新型コロナウイルスが流行した2020年は、旅行関連の株価が急落したけれど、ウェブ会議のシステムを手掛けるZoomの株価は急成長していました。

 このように、株価の値動きは銘柄ごとに異なります。

 その異なる銘柄を組み合わせることで、一部の銘柄の値下がりをほかの銘柄の値上がりでカバーするのが、分散投資の強みです。

 業種ごとに分散するほかにも、地域や通貨ごとに分散したり、株式だけではなく債券も組み入れて分散したり、分散投資にもいろいろな方法があります。

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円安が進む中こそ「分散投資」は有効!