11月27日に行われる二階氏の地元、和歌山県の知事選挙では、元国民民主党衆院議員の岸本周平氏を自民党も推す形になっている。岸本氏については、世耕弘成参院議員が擁立する別の候補者をおさえて、二階氏が岸本氏でまとめあげた経緯がある。選挙戦は岸本氏の圧勝ムードだ。

 地元の自民党地方議員が言う。

「選挙前は岸本氏の応援に連日入るなんて二階先生は言っていた。コロナでできなくなったが、岸本氏陣営にはよく二階先生から連絡が来ているそうですよ。コロナに感染する直前も『10増10減とか言っておるが、次の政局がどうなるか、やらねばならぬ』と二階先生は意気軒高でしたよ。次期総理のキングメーカーとなって、幹事長への返り咲きまで考えていると思う」

まだまだ影響力はある? 二階俊博元幹事長
まだまだ影響力はある? 二階俊博元幹事長

 元自民党職員で政調担当を長く務めた政治評論家の田村重信さんは、次期首相について、こんな見方をする。

「河野氏は旧統一教会には突破力で切り込めるかもしれないが、他の諸問題に対応ができるか。難題続きの時は、総理にと手を挙げにくいもの。安定なのは茂木氏だろうが、他の派閥が乗ってくるかがわからない。昔、大平首相が急死した時、誰も想像しなかった鈴木善幸氏が総理になってアッと驚かせた。岸田首相の動向、決断次第では、想定外の名前が浮上するんじゃないでしょうか」

 支持率低迷で風雲急を告げる岸田政権。外遊真っただ中の首相は、何を思うのか。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

※当初の配信記事で「来年9月には自民党総裁の任期がくる。」とあった部分を「再来年9月には自民党総裁の任期がくる。」に修正しました。

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今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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