ヤンキースからFAとなったアーロン・ジャッジ(AP/アフロ)
ヤンキースからFAとなったアーロン・ジャッジ(AP/アフロ)

 今年もメジャーリーグのストーブリーグの季節がやってきた。エンゼルスのペリー・ミナシアンGMが大谷翔平選手については「トレードしない」と明言した以上、(それを信じるという条件付きならば)やはり最大の注目はア・リーグ新記録の62本塁打を放ってヤンキースからフリーエージェント(FA)となったアーロン・ジャッジ外野手の去就だろう。

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 そもそもジャッジは契約最終年だった今季の開幕前に、7年総額2億1350万ドル(約299億円)のオファーを断っている。今季の大活躍で当時からの上積みは必至で、一部メディアでは総額2億8800万ドル(約403億円)の8年契約という報道があるほど。必然的にこれだけの額を払える球団は限られており、現時点では残留を求めるヤンキースと、ジャッジの地元近くに本拠地を構えるジャイアンツの2チームが契約先の有力候補とみられている。

 ヤンキースは言うまでもなくジャッジのことを最も理解している古巣であり、オフに入っても交渉を重ねている。ジャッジにとっても気心の知れた仲間と共にプレーし続けられるのはサポート面や起用法を含めて安心できるだろう。

 一方、主力の高齢化が進んでいるジャイアンツは、今季チーム最多の23本塁打を放ったジョク・ピーダーソンがFAとなって外野陣が特に手薄。来年で31歳となるジャッジはすでに若手とは呼べないが、それでもまだ長期にわたって活躍が見込める年齢ではある。後は争奪戦となったときにどこまで張れるかだ。

 その他の有力FAはというと、知名度ではジェイコブ・デグロムとジャスティン・バーランダーの両サイ・ヤング賞投手が目立つが、実際のバリューでは彼らを凌ぐと個人的に注目しているのはトレイ・ターナーとカルロス・コレアの両遊撃手だ。

 ターナーはもともとナショナルズ時代の若い頃から身体能力の高さが注目されていたが、ここ数年で打撃力が一気に向上。今季はドジャースで160試合に出場し、打率2割9分8厘、21本塁打、100打点、27盗塁、101得点。遊撃の守備も平均以上で走力はトップクラスとあって、fWARは6.3をマークした。ちなみに年齢はジャッジより1歳若く、来年で30歳だ。

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ターナー、コレアの新天地候補は?