郡司恭子アナ(撮影/加藤夏子)
郡司恭子アナ(撮影/加藤夏子)

 ファッションセンスがある郡司アナとはいえ、数ある新規事業の中から、なぜアパレルブランドの立ち上げを提案したのか。ドラマの企画案などに比べると、いち社員が立ち上げる新規事業としてはかなりハードルが高いように思える。

「アウディーレ」は日テレがCEORY(セオリー)社をパートナーとして進めている事業だ。セオリー代表の佐藤俊介氏は「CEO(セオ)」名義で連続起業家兼アーティストとしても活動している。

 取材に同席した、日本テレビで社長室専門室次長の太田正仁さんはブランド誕生までの経緯をこう説明する。

「最初のきっかけは、アパレルのベンチャー事業をやっていらした佐藤俊介さんから、当社の社長室に『アナウンサーをテーマにした新しいビジネスを一緒にやりませんか』という話をいただいたことです。当時のアナウンス部長と一緒にお会いしたのですが、当初はお断りするつもりでした。というのも、弊社ではアナウンサーを他社事業のアイコンにするようなことはルールとして認められていないからです。しかし、アナウンス部長が一応、アナウンス部内に持ち帰り、その話を伝えたところ、郡司から『他社の事業としてではなく、自分たちの事業としてアパレルを起こしたいです』と積極的な提案がありました。それから郡司がほぼ一人で企画書を書き上げました。事業の目的やさまざまな施策案など骨格もしっかりとしており、私自身も、これならいけると思いました」(太田氏)

 郡司アナも「事業」として真剣に考えている。

「しっかりと事業計画を策定して、万が一うまくいかなかった場合の撤退基準も設けて事業運営しています。事業計画は2025年まで4年分つくっています。もちろん撤退などしたくないので、まずは自走できる事業にするのが直近の目標です。おかげさまで、百貨店さんから、うちの店のコーナーに置いてくださいというお話もいただいています。私も商談の席につくこともあります」 

 商品は店頭での販売はしておらず、当面は「アウディーレ」公式サイでのネット販売のみとなる。価格帯は1万円台後半から2万円台が中心。受注生産となるため、注文した商品が手元に届くのは11月以降になる予定。次作の販売は来年3月ごろを目指しているという。

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アナウンサー25人くらいから声を集めた