――今年の3月18日、大野氏はメールと郵送で来春の横浜市議選の候補者としての公認を求める公認申請をしたが、中谷氏が党に上申しなかったために1次公認が剥奪されたと説明しています。

 事実ではありません。第一次公認の上申については、党員に関することなどいくつかの懸念事項があり、協議の結果、慎重に確認を行う必要があるとして、第一次公認は見送りとなりました。

――4月1日、大野氏は中谷氏の元秘書の県議より、2019年~2021年の地元活動の「年次リポート」を求められ、駅頭活動や集会開催の回数などを書き込むように指示されたと話しています。また、神奈川県第7区総支部に「年次リポート」を提出した市議は何人いたのでしょうか。

 一方的に記載するように指示した事実はございません。この書類は、総支部選挙対策委員長である県議から2022年4月1日に大野氏へ共有されましたが、その際、「妊娠・出産・育児等、各人のライフステージにかかわる事項について十分に配慮する」、「書類に関して、書くこと書かないことの判断を大野氏にお任せする」、「書類に関して、書ける範囲での記載で構わない」、「書類に関して、書く時には提出期日は、大野氏にお任せする」旨をお伝えしていると聞いています。これについては、22年4月22日に開催された総支部常任幹事会においても、報告されました。また、街頭活動・ポスター掲示、集会開催・イベント参加などの活動の「見える化」については、各人が意識をして取り組んでおり、複数の議員から総支部へ情報共有が行われております。

――大野氏は、21年の妊娠、出産にともない活動量が低下したことを理由に市議に公認しなかったことや、臨月にもかかわらず、炎天下に街頭活動をするように求められたことは「マタハラ」だと主張しています。

 事実ではありません。本件に関しては、事実とは異なる内容を喧伝されているという認識を持っており、党ハラスメント対策委員会の第三者委員会においても、大野氏の主張が正確な事実ではないことをエビデンスを交えながら説明をしています。

 真っ向から主張が食い違う大野氏と中谷氏。党本部ハラスメント対策委員会が、2人の主張をどう判断するのか注目される。(AERA dot.編集部・上田耕司)

※【後編】の<立憲男性県議が「女性とかジェンダーとかほざく連中」「ポンコツ」と暴言 神奈川県連で横行する“深刻ハラスメント”>では、さらに3人の女性議員が「ハラスメント」を訴えている実態と当該議員の言い分を紹介する。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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