田村淳
田村淳

 ロンドンブーツ1号2号の田村淳というと、そつのない仕切りで知られるMC芸人の第一人者というイメージがある。また、私生活では数々の女性有名人と浮き名を流してきたプレイボーイでもある。

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『ロンドンハーツ』という番組においては、淳は恋愛系ドッキリ企画のスペシャリストであり、下心のせいで罠にはまる男性芸人たちを地獄に突き落としてきた。そこから狩野英孝をはじめとする数々のドッキリスターが生まれた。

 また、物事を進めるための企画力、実行力、交渉力にも非凡なものがある。相方の田村亮が闇営業問題で事務所を追われた際には、芸能活動復帰に向けて力を尽くし、コンビとしての活動を再開させた。

 淳はスマートでクレバーな策士である。彼の頭脳は、目の前の人間を相手にして目的を達成しようとするときにフル回転する。逆に言うと、目的としていないものに関しては、とことん不器用であり、無作法であり、無様でもあったりする。

 そんな淳の意外な一面が掘り下げられていたのが、9月6日放送の『アメトーーク×ロンハー×有吉クイズ×テレビ千鳥 4番組コラボスペシャル』だった。テレビ朝日を代表する4つの人気バラエティ番組のMCである蛍原徹、ロンドンブーツ1号2号、有吉弘行、千鳥が一堂に会して、さまざまな企画に挑戦していた。

 ここで淳は数多くの醜態をさらし、イジられ役に回っていた。メイン企画の1つである「淳VS村上 夢の6番勝負」では、お互いに「運動神経悪い芸人」として知られるフルーツポンチの村上健志と6つの競技で対決した。走り方が滑稽であることから、村上は「ヒザ神」、淳は「モモ神」と呼ばれている。そんな2人は50m走などの競技で低レベルな戦いを繰り広げていた。

 それだけではない。MC芸人同士がスタジオで対決する企画では、まともに縄跳びをすることもできず、ほかのメンバーの失笑を買っていた。千鳥のノブは「俺らはあんな人に回されてたのか」とあきれ果て、大悟は「小学校行きました?」と言った。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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