巨人が下位に低迷したまま抜け出せない。8月30日のヤクルト戦で延長11回の激闘も敗れて3連敗。4年ぶりの借金8にふくらんだ。

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「負けが込んでいるからか、ベンチの雰囲気は重く感じる。ベテラン中心の布陣で、チームを活気づける若手がスタメンに名を連ねていないので新鮮さもない。課題は山積みです。その中でも大城卓三の働きぶりに『正捕手では厳しい』という声が少なくない。今年は西武・森友哉を筆頭にロッテ・田村龍弘、DeNA・嶺井博希、オリックス・伏見寅威とレギュラークラスの捕手がFA権を取得している。オフに獲得を検討する価値は十分にあるでしょう」(スポーツ紙デスク)

 大城は決して能力が低い捕手ではない。小林誠司の強肩が注目されるが、大城も昨年リーグトップの盗塁阻止率.447をマーク。今季も.373とリーグ2位だ。フリー打撃ではスタンドに軽々と放り込む。豪快なスイングで飛距離はリーグ屈指だが、その能力を生かせているとは言えない。8月に入って状態を上げているが、打率.251、11本塁打、34打点は物足りない。配球面についても批判的な声が少なくない。攻守で精彩を欠いた6月には登録抹消された。故障以外でのファーム降格プロ5年目で初だった。

 ただ、大城を押しのけて正捕手になる存在がいるかとなると疑問符が付く。

 巨人を取材する記者は「小林は2020、21年が打率0割台、今季も打率.128と打てない。岸田行倫が本来なら大城を脅かす存在にならなければいけないが、首脳陣の評価が高いとは言えず、1軍に定着できていない。山瀬慎之助、喜多隆介は将来が楽しみな捕手だが、まだ時間がかかる。大城を刺激させるためにも、捕手はFA補強の可能性が高いポジションと言えるでしょう」と指摘する。

 もし、巨人が今オフにFAで獲得に乗り出すとなれば森が筆頭候補になるだろう。今季は打撃の状態が上がってこないが、19年に首位打者を獲得するなど天才的なミート能力はリーグ屈指だ。課題とされている守備面でも、強力投手陣を引っ張りチーム防御率2.62。投手の持ち味を引き出し、相手の裏をかく配球術に磨きをかけてブロッキング技術も高い。まだ27歳と若いのも魅力だ。

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