カタールW杯でのブレークが期待されるガビ(ロイター/アフロ)
カタールW杯でのブレークが期待されるガビ(ロイター/アフロ)

 4年に1度のW杯は、世界のサッカーの潮流が明確化する場でもある。長く続いた「メッシ&ロナウド時代」から「エムバペ&ハーランド時代」へと移り変わった中で、彼らに続く新時代のスター候補たちの出現も目立っている。その中から、今回のカタールW杯で世界的なブレークの可能性を持つ10代の選手(2003年1月生まれ以降)たちを紹介したい。

【写真】「ケガがなければ…」日本代表の歴史を変えられた“未完の逸材”

 前回のロシアW杯で28年ぶりの4強入りを果たしたイングランド代表で期待される10代プレイヤーが、MFジュード・ベリンガム(ドルトムント)だ。2003年6月29日生まれ。世代別代表を経て、2020年11月にルーニー、ウォルコットに次ぐ同代表史上3番目の早さ(17歳136日)でA代表デビュー。翌2021年には17歳349日でEUROのピッチに立ち、最年少出場記録を塗り替えた秀英だ。

 かつてのランパード、ジェラードに通じるボックス・トゥ・ボックスのMFとして、優れたフィジカル能力でピッチ上を幅広くカバーしながら、細かいボールタッチと優れたドリブル能力でチャンスを演出。同時に、長いリーチと優れた洞察力、高い献身性で守備においても高い貢献度を誇る。

 今年の6月にFIFA傘下の国際スポーツ研究センター(CIES)が発表した市場の予想移籍金は、エムバペ、ヴィニシウス、ハーランド、ペドリに次ぐ世界第5位の1億3370万ユーロ(約183億円)。現時点ではまだ「将来性」に対する割合が多いと言えるが、カタールの地でレギュラーとして母国を1966年以来2度目のW杯制覇に導くことができれば、エムバペ、ハーランドと肩を並べ、今後十数年間に渡ってサッカー界の主役になれる存在だ。

 2002年生まれにペドリ、アンス・ファティ、ジェレミ・ピノと傑出した逸材が揃うスペイン代表の中でカタールW杯を10代で迎える男が、MFガビ(バルセロナ)だ。2004年8月6日生まれ。11歳で育成組織「ラ・マシア」に入り、2021年8月に17歳でトップデビューを果たすと、2カ月後の10月にはスペイン代表のルイス・エンリケ監督に抜擢されて同国史上最年少(17歳62日)でA代表デビュー。周囲からの「時期尚早」の声を自らの圧倒的パフォーマンスで封じ込め、かつ称賛の声に変えた後、今年6月には同国代表史上最年少ゴール(17歳304日)をマークした。

次のページ
ドイツ代表には2人のブレーク候補!