埼玉西武・内海哲也(左)と広島・長野久義(写真提供・埼玉西武ライオンズ/広島東洋カープ)
埼玉西武・内海哲也(左)と広島・長野久義(写真提供・埼玉西武ライオンズ/広島東洋カープ)

 内海哲也(西武)と長野久義(広島)。“元巨人”の2人は2018年オフの移籍以降、新天地では際立った成績を残せてはいないが、チームにとって貴重な存在となっている。共通しているのは野球への真摯な取り組み方、そして常に周りのことを考えて動く献身的な姿勢だ。

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 先日、今季限りで現役を退くことを発表した内海は巨人時代から、選手としての能力に加えて人間性を高く評価されていた。

「各球団エース級との対戦が多く、成績にはそこまで恵まれなかったがチームを勝利に導くために熱投していた。打席ではベンチからの指示がない限り、ヒットを打とうとフルスイングする。エースと呼ばれるのに相応しい振る舞い、存在だった」(巨人関係者)

「引退表明後、西武だけでなく、巨人や他球団からも多くのコメントが寄せられたのに表れている。野球に対して実直に取り組む姿勢は、誰もが手本にすべき選手。西武では二軍暮らしも長かったが腐ることなく、先頭に立ってメニューを消化していた。背中でチームを引っ張るリーダーは、若手が多いチームで大きな存在だった」(西武関係者)

 巨人では在籍15年間でリーグ優勝6回(うち日本一2度)に貢献。個人成績でも最多勝利2回、最多奪三振1回のタイトルを獲得するなど、投手として一時代を築いたのは間違いない。またマウンド上での活躍に加え、人柄の良さがチームを1つにまとめ上げたと語る人は多い。

「社交的な性格で周囲に壁を作ることなく誰にでも誠実に接する人柄で、悪く言う人がいなかった。気の配り方がすごい。移籍してきた選手に最初に声をかけ食事に誘うのもテツだった。ソフトバンクから移籍してきた杉内俊哉(現三軍投手コーチ)をスギニイと呼びチームに溶け込ませたのは有名。新人、裏方など誰に対しても同じような対応で慕われていた」(巨人関係者)

「春季キャンプ宿舎での取材後、食事に出かける内海と偶然出くわした。『同じ方向なので乗って行ってください』とタクシーへの同乗を提案された。練習、取材が終われば報道陣と関わりたくないはずだが、嫌な顔せずに車内でも話を聞かせてくれた。グラウンドを離れても内海は変わらないと思った」(野球関連スポーツライター)

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長野も“人間性”が高く評価