阪神・矢野燿大監督
阪神・矢野燿大監督

 今年は阪神が良くも悪くも“らしさ”を発揮している。開幕9連敗とスタートで大きくつまづき、借金が最大16まで膨らんだ。ところが4月の後半に6連勝を果たすなど徐々に調子を上げ、オールスター戦を前に借金を早々と完済した。

「勝率5割からの後半戦はシーズン開幕と思ってやって欲しい。首位ヤクルトは強い。でも1つずつ勝ち星を積み重ねて差を詰めていくしかない。開幕からヨーイドンで9連敗したということは逆も考えられる。優勝の可能性は残っている」(阪神関係者)

 阪神は前半戦終盤の流れのまま、後半戦も好調を維持。甲子園でのヤクルト戦を皮切りに、続く巨人、広島と3カード連続で勝ち越しに成功。チームの雰囲気は最高潮で、新型コロナウイルスの感染で大量の離脱者が出たヤクルトとは対照的に上がり目要素も多い。8月9日終了で首位ヤクルトから8.5ゲーム差の2位につけている。

「(勢いこそあるが)逆転優勝はかなり難しい。しかし08年は最大13ゲーム差をつけていた巨人にひっくり返されたこともある。同じことが阪神にできないこともない。そうなった場合、矢野燿大監督は『阪神の神様』の仲間入り。急転直下、監督留任ということも考えられる」(在阪テレビ局スポーツ担当)

 阪神は08年、岡田彰布監督の下で前半戦は快調に白星を重ねた。一方で巨人は開幕から苦戦したものの、9月には引き分けを挟んで12連勝。阪神は10月に首位を明け渡し、そのまま優勝を許してしまった。仮に阪神が今季、同じような大逆転を演じることができれば、矢野監督は開幕直後の“戦犯”という評価から一転、名将として名を残すことになるだろう。

「08年は屈辱以外の何物でもない。メークレジェンドと呼ばれ巨人の原辰徳監督にとっては大きな勲章になった。今季の阪神が同様の逆転優勝を果たせば、矢野監督は伝説を作れる。阪神の神様といえばランディ・バースが有名だが、肩を並べる存在になれる」(甲子園に訪れていた阪神ファン)

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「今年はもうアカン」と諦めるファンも