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 そしたら、バキバキいかつい二人が入ってきて、インたけが「♪い~らっしゃいませ~。おふたりさまですか~。こちらの~せきに~」って接客した。そしたら「殺すぞ、こら!」「なめてんのか、お前!」ってブチギレ。その方たちは、その店がせいじさんの店で、芸人が働いてるって知らなかったみたいで。

 そんな感じで今でも「ちゃ、ちゃ、ちゃ、チャンスさん」となるので、インたけとは普通の会話をするのも大変なんです。だから、「♪あしたの~あさ、ささづかに~じゅうじで~いいですか~?」みたいな感じで、普段から歌ってもらうようにしています。

タケト:たしかにそれが一番分かりやすいかもしれませんね。歌ったら全く噛まないんですかね。石野卓球さんがインたけさんのことを気に入っているって聞いたことがありましたけど、その理由が分かった気がしました(笑)。喋りが超テクノですもん。素晴らしいですね。

■断ることができない、インタレスティングたけし

チャンス大城:あと、こんな話もありました。インたけは、きれいお姉さんから「好きになりました。つき合ってください」って言われたことがある。でも4回目のデートで、その子が急に泣き出したらしいんです。「ラッセンの絵を60万円で買ってくれないと、私はもう生きていけない」って。インたけは壺を買わされたり、新聞を4社くらい取っちゃったりとか断れない男なんです。

 だから、よく説教している。そのときも「ラッセンの60万円も返してもらえ」って言ったんだけど、もう次の日から女の子とは連絡が取れなくなっていて。インたけはその子のことがめっちゃ好きだったから、当時インたけの家に行って、お酒を飲みながら励ましてあげていた。でもその時期にちょうど、芸人の永野さんがテレビによく出始めていて「♪ゴッホより、ふつ~うにぃ~、ラッセンがぁす~き~」ってテレビから流れてきたら、インたけが「ゴ、ゴ、ゴッホの方が好きですッ」って即答して(笑)。

 あとインたけは、勧誘された宗教に3つ入っていたことがあるらしいんです。それに対して、おれがキレて「宗教は3つ入るもんやない、1つにせえ!」って説教したことがある。そしたらインたけは返す刀で「ちゃ、ちゃ、チャンスさん。は、は、はちこ入ってました」って言うんですよね(笑)。

(取材・構成/書籍編集部・増田侑真)