――日常的に会員の話を聞く機会がある?

 そうですね。特に、悩んでいるとか辞めそうだ、もう活動できそうにないと思ったら、徹底的に話を聞きます。それが責任者の仕事です。とにかく人の話を聞いて、納得させるのがうまい人が幹部になっていく。ものすごいマインドコントロールの技術があるように思われますが、そんなすごいテクニックはありません。そんなものがあれば、山上容疑者自身や統一教会に反対している人たちさえも、あっという間に洗脳されてしまっているはずです。

■仲正昌樹(なかまさ・まさき)/金沢大学法学類教授。博士(政治・法思想史)、1963年広島県生まれ。東京大学卒業後、同大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修了。著者に『悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える』(NHK出版)、『人はなぜ「自由」から逃走するのか』(ベストセラーズ)、『統一教会と私』(論創社)など