そういう部分でも、今はすごくやりやすい。今のマネージャーになってから、積極的に「やりたい!」って思える仕事が増えているからね。やっぱり、変に遠慮しないで、お互い何でも言い合えるというのが良い効果を生んでいるのかもしれない。マネージャーは、ボクの仕事ぶりに対して、褒めるだけじゃなく、ダメ出しのようなことをちゃんと言ってくれるからね。でも、それも、今の関係性があるからできることであって、最初から、何でも素直に受け入れることができたわけじゃない。初めてキツく注意された時は、さすがにボクもイラッとしちゃったからね。

 ちなみに、初めて注意されたのは、ボクがアイドルをゲストに招いてトークするラジオ番組をやっていた頃だったかな。マネージャーもボクについてくれて間もない頃で、そのラジオ番組もスタートしたばかりという状況だった。

 ラジオ番組でのボクの役割はMC。つまり進行役。だから、普通なら、ゲストにいろいろ話をふったりして、魅力を引き出してあげなきゃいけないのに、当時のボクは自分のアピールばかりしていたの。正直、進行役という立場が初めてだったから正解がまったく分からず、とにかく「現場を盛り上げればいい」って考えちゃったんだよね。

 だから、ひどい時は、ゲストの話もろくに聞きもせずに、自分のギャグを連発。収録中は「次はどういう風に落としてやろうか」ってことしか考えてなかった。つまり、会話のキャッチボールがまったくできていなかったんだよね。今、考えると、そりゃ注意されるよなって思う。

 案の定、収録の帰り道にマネージャーからは、

「ゲストのことを何も考えていないですよね?」
「自分のことばかりやっていたらこの仕事の意味がありません」
「こんなこと続けていたらいつか仕事がなくなりますよ」

 っていう強めのダメ出しがきた……。

 今、考えると当たり前のことなんだけど、注意された瞬間は全然納得できなかったのを覚えている。「ボクのこと何も分かってないくせに!」ってね。

次のページ