「(東京地検が開示した)刑事確定記録の分厚いファイルの中に『サントリー』の文字はないのです。ホテルの従業員が作った『宴会ファイル』の中に、ウイスキー、ビール、ワイン、発泡酒の本数がメモ書きされ、『持ち込み』と書かれた横に、小さく電話番号が書かれていたんです。うちの編集長が『ちょっとその電話番号にかけてみろよ』と言うので、その場で記者が電話をかけてみたら、『サントリー秘書部です』と」

 前出の岩田氏もこう話す。

「刑事確定記録はもともと検察が捜査の段階で握っていたわけですから、本来なら2年前にやるべき問題だったんです。それをなぜかやらなかった。検察が弱体化して、政治家、官僚を挙げられなくなった。『桜』の一連の問題を見ても簡単に済ませようとしていて、私たち市民感情からすると、検察はもっとしっかりしてほしいと思う。東京地検特捜部には今度こそ、巨悪に捜査のメスを入れて欲しいという思いを込めて告発しました」

 サントリー広報部に質問すると、担当者は「無償提供」を認め、こう答えた。

「会の開催については、安倍議員事務所から教えていただきました。多くの方が集まる会だとお聞きし、弊社製品を知っていただくよい機会と考え、無償で協賛させていただきました。いつからいつまでということに関してですが、16年については、弊社の担当者はすでに退職しましたが、協賛した事実はあったということでした。17年から19年に関しては、詳細は言えないんですが、協賛しました」

 企業から政治家の後援会への寄付は違法ではないかと指摘されている点について質問すると、

「それに関してはサントリーからの回答は差し控えさせていただきます」

 とのこと。

 サントリーホールディングスの新浪剛史社長が当時、安倍元首相や麻生太郎財務相と会食をしていたことについて、酒税法改正との事実関係は?

「こちらに関しても回答は差し控えます」

 と答えるにとどまった。

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刑事確定記録を閲覧したらバレちゃった