「NPBはかつて球宴3試合制を採用するなど、あの手この手で収益増を目指している。最近は全国的知名度の高い選手には何としても出てもらうよう各球団への根回しも行っているらしい。結果、グラウンド上での真剣勝負など生まれず、ベンチ内でうちわをパタパタしながらの談笑になる」(某パ・リーグ球団の営業担当者)

「今やファンは本気の夢の対決が見られるとは思っていない。球宴に実際に足を運ぶファンが求めているのは普段できない他球団選手の応援歌を歌うこと。名曲と言われる応援歌の選手が出場すると異常な盛り上がりを見せる。侍ジャパンの試合も同様ですが、応援できる外野席のチケットから売れていくのはそのため」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 このように日本では球宴の意味合いが昔とは大きく変わってきている。しかし、これまで真剣勝負の中で様々な名場面も生まれてきた。中田に投票が集まるのは川崎のケースと同じなのか、純粋に中田に魅力を感じているファンが多いのかは分からない部分ではある。だが、今回の中田の件をキッカケに今一度球宴の存在意義を考える時が来ているのではないか。