写真はイメージ(GettyImages)
写真はイメージ(GettyImages)

 異性へのモヤモヤした気持ちやフラストレーションを僕たちの世代やさらに上の世代は、「スポーツで発散しなさい!」みたいなバカなことを言われていましたが(笑)、いまは違う。モヤモヤした気持ちの行き場や恋愛していないことをカモフラージュできるものがたくさんある。しかもリアルにカモフラージュできてしまう。

 わかりやすい例はAKB。ファンという言葉が推しとなり、お金を使って握手券を手に入れさえすれば、会いに行ける。さらにお金を出せば何回も会うことができて、回数を重ねると「応援してくれるから笑顔で頑張れる」と直接言われたりする。僕らの世代にはないカルチャーがいまの20代には根付いていて、これって、恋愛にとってものすごいカモフラージュだと思う。「推しがいて忙しくて恋愛どころじゃないですよ」なんて言っているのは、傷つかないでいようとする自己防衛なのでは!? と思ってしまう。

 恋愛に踏み込めない若者に、教育現場が多少影響を与えているのではと思うところもある。徒競走でみんなでゴールみたいな優劣がつかないように教育されて、不条理なことを変になくそうとしている。他人に対して「好き」だ「嫌いだ」という話をすると、問題になるし、いじめにつながったりする。自己主張しなさいみたいに教育されるのに、自己主張が強すぎると叩かれる。叩かれるのもリアルではなくて、ネットで叩かれたりする。

 自己主張の1つが恋愛だったりもするのに、それを抑え込むような環境にいるのかもしれない。「もし、恋愛がバレて叩かれでもしたらえらいことだ」と考える人がいてもおかしくないのかも。

 だから、我々オジサンやオバサンが思っていた以上にデートの経験がないという若者がいたということは不思議ではないなと考えた。その世代の子たちの教育環境からしたら、たしかにそうだろうな。

 この報道を聞いたときに6~7年前に放送された『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)を思い出しました。男性の依頼者はいままで生きてきたなかで、デートをいたことがなく「とにかくデートをしたい!」と。相手は男性でもいいからデートという行動を経験したいということで、僕とデートしました。当時、話題になった放送回で、その頃から若者がデートをしなくなったのではないかとも思った。

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恋愛しない日本は先細りか!?