デビュー戦でセコンドおよび、サポート役として同行しただけでなく、岡田は平良と1カ月の海外修行もともにしてきた(今年1月~2月)。

「向こうでは2部練・3部練をして朝から一日練習だけの生活をしてるんですけど、“この子スゴいな”と思うのは、家に帰っても、あいつはまた格闘技の動画を観始めるんです。帰ってからは余暇で何もしなくていいのに、義務じゃなく、好きで本当に楽しみながら観ているんです」

 練習場所としたメガジムでは有名・無名、様々なUFCファイターと遭遇。その選手の試合を帰った後で“あの選手はどんな試合をするんだろう”と観ているのだという。そんな平良を岡田は次のように喩える。

「格闘技が本当に好きで、もう空気のようになってますよね。付き合いたての彼女ってすごく好きでずっと一緒にいるのが苦じゃないですけど、長くなってくるとだんだん自分の時間がほしくなってくる(笑)。達郎は始めてもう7年で、戦績もこれだけ積んでいるのに、付き合いたての彼女みたいに格闘技と付き合ってます。朝から晩まで1日中やってるにも関わらず、終わってからまた格闘技を観る。僕にはできないし、ちょっと普通じゃないです。好きで始めた格闘技もずっと練習ばかりしていると“息抜きがほしい”ってなってしまうのに、彼はそれがなくて格闘技に一途なんです」

 岡田はまた、自身が見聞きしてきた王者たちの話を付け加える。

「以前ATT(堀口恭司も所属するフロリダの名門チーム)へ行った時、ちょうど女子ストロー級チャンピオンだったヨアナ・イェンジェイチックが試合前で、鬼気迫る表情で毎日とんでもない熱量で練習をして、プロ練が終わっても練習するんです。佐藤天くん(UFCウェルター級ファイター)は現UFCウェルター級王者のカマル・ウスマンと元々チームメイトだったので『どんな感じなんですか?』って聞いたら、『ウスマンは練習が終わっても練習してます』って言ってました。扇久保博正さんも練習が終わってもずっと練習するんです。達郎も練習が終わっても練習するので、そういう共通点はあるなって。松根さんのイズムを存分に受けてると思いますけど、純粋に格闘技が好き、“もっと強くなりたい”“もっと上手くなりたい”っていうピュアな向上心だったり探究心が彼はすごくあるんです」

次のページ
平良の今後の戦いについては?