ヤクルト移籍後は存在感を示せていない内川聖一(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)
ヤクルト移籍後は存在感を示せていない内川聖一(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)

 ヤクルトの内川聖一に出番が回ってこない状況が続いている。同じ“アラフォー”である先発左腕の石川雅規、外野手の青木宣親はチームに欠かせない存在となっているのとは対照的だ。球史に残る安打製造機はこのままバットを置いてしまうのだろうか……。

【写真】内川とは対照的に今年も1軍で活躍を見せている選手がこちら

「DeNA戦の雨天中止は大きい。(仮に内川が今年で引退したら)最後に神宮で古巣との対戦が実現できる可能性が出てきた。シーズン終盤、満員御礼になってテレビ中継も数字が期待できそう。そこでヤクルトが優勝争いに絡んでいれば最高です」(在京テレビ局スポーツ担当者)

 4月29日から神宮で予定されていたヤクルトとDeNAの連戦は3試合中2試合が雨天中止となった。コロナ禍の中ではあるが、観客の人数制限などが解除され迎えたゴールデンウィーク。書き入れ時の水入りに本来は頭が痛いところだが、関係各所からはこんな声が聞こえてきた。

 打撃技術は天才とも称される内川だがここ数年は苦しんでいる。ソフトバンクでの最後のシーズンとなった2020年には二軍で3割を超える打率を残したが、キャリアで初めて一軍での出場なくシーズンが終了。昨シーズンはヤクルトに移籍して再起を誓ったが、一軍では38試合で打率.208と低迷し、日本一となったチームの中で存在感を示すことができなかった。

 今季もここまで一軍での出場はないが、08年の横浜時代に右打者としてはシーズン最高となる打率.378で首位打者を獲得し、2000本安打も達成した39歳の“レジェンド”は技術的にはまだまだできる余力を残しているはずだ。

「ミート力など技術的な部分の問題はない。年齢的な衰えや視力の低下も心配されるが、ある程度は技術でカバーできる。出場機会が与えられないことが問題。メンタル部分の波があることが知られているので、一軍のベンチに入れにくい部分もあるのかもしれない」(在京球団編成担当者)

「二軍戦には継続的に出場して打率(.270)も悪くはない。コンディションは良さそうですが一軍に呼ばれる気配はない。高津臣吾監督は調子の良い若手を起用するため、誰もが必死にやっている。チーム一丸の姿勢が首位争いにつながっている中、無理して内川を呼ぶ必要はないのでしょう」(ヤクルト担当記者)

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同じ“アラフォー”2人はチームで存在感