※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 目のかすみや疲れを「目の使いすぎや年のせい」とあきらめている人は多いだろう。しかし、眼科で適切な治療を受ければよくなるケースが多い。背景に潜む病気や原因、見分け方について専門医に聞いた。

【チェック】目のかすみ、疲れから考えられる病気は?

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 視界全体または一部がかすむ、ぼやける……。梶田眼科院長の梶田雅義医師は、こうした症状の原因として近視や遠視、乱視や老眼などの「屈折異常」を挙げる。

 目の水晶体は近くを見るときは厚く、遠くを見るときは薄くなってピント(焦点)を合わせている。屈折異常はこの調節機能がうまくいかなくなった状態だ。

 気が付かないまま放置していると、目の疲れや目を休めても疲労が回復しにくくなる眼精疲労の原因になることもある。

「屈折異常の中でも気づきにくいのが乱視と老眼。目を細めるとそれなりにピントが合って見えるためです。乱視は子どものころからあることがほとんどですが、“見える”ため、学校の視力検査では発見しにくいのです」(梶田医師)

 乱視の目では、数字の輪郭がぼやけ、特に「0・6・8」の区別がつきにくいという。梶田医師は職場でこうした数字の入力ミスをきっかけに、乱視が見つかった患者のケースを複数、経験している。

 老眼は40~45歳になれば誰にでもあらわれるが、近視の人ほど症状に気づきにくい。眼鏡を外せば近くを見ることができるからだ。

■若い世代ではスマホ老眼が問題に

 若い世代では調節異常の一部である「スマホ老眼」が問題になっている。至近距離でスマートフォンなどを見続けることで水晶体を支える毛様体筋が凝り固まり、遠くにも近くにもピントを合わせにくくなった状態だ。

「スマホ老眼になりやすいのは、近くに焦点を合わせるのが苦手な遠視気味の人。レーシック手術で遠くが見えるようになった人も要注意です」(同)

 スマホをよく見る人は眼位(目の位置)の異常である「急性内斜視」や「外斜位」という病気も知っておきたい。

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「急性内斜視」や「外斜位」という病気