「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。AERA dot.連載13回目は、3月7日(月)にお二人が出演して行われたオンラインセミナー『中学受験?高校受験?改めて考えたい受験の時期と選択』で出た質問を、ダイジェスト的にご紹介します。
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安浪:まずは両者では入試形態が大きく違いますね。中学受験でいちばん受験者数が多い私立受験で考えると、基本は学力検査、いわゆるペーパーテストがメイン。面接や調査書の提出があるところは一部です。一方、公立の高校受験は学力検査と内申書(調査書)の点数で判断され、面接、特色検査(自己表現検査や実技検査)が必要とされるところも。自治体や学校によっても大きく違います。
矢萩:その意味では高校受験は対策しにくいのは確かです。地域や学校、担当される先生によって、目指す学校によって、その子の学校での生活ぶりによっても対策が違ってきます。
安波:中学受験のメリットは、点数での勝負になるので対策は立てやすい。デメリットは小学校学習内容を大幅に超える、広くて難しい勉強をしなければならない。もちろん、どのようなスタイルの中学受験を選択するかによって状況は変わってきますが、大手進学塾が発信している通常の中学受験のレールに乗って行こうとすると大変になることは大いにあります。高校受験は中学受験ほど親が関与しなくていい。ただ、やはり内申書がつきまとうので、先生との関係が重要になってくる。あとは中3という思春期での受験をうまく乗り越えられるかどうか。反抗期に重なったら親の言うことは聞かなくなりますし、友だちの影響も大きく関わる年齢です。勉強する友達に囲まれたら勉強に対するモチベーションは上がるけど、勉強しない友達に囲まれたらモチベーションが上がりにくいことも。
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