「点を取れない」「解けない」から苦手意識が生まれてしまう算数。でも、算数のだいご味は知識やしくみを使って何か面白い世界を作ること。「自分のアイデアで楽しむ算数」一緒に始めてみませんか? 算数や数学でクリエーティブな学びを提供しているmath channelの横山明日希さんに、問題を解くだけでない算数の世界を教えてもらいました。子育て情報誌「AERA with Kids2025年夏号」(朝日新聞出版)からお届けします。

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自分の興味関心から 算数の扉を開く体験を
興味が深まる3つのヒント 問題に挑戦! 全部で「15」を探せ

自分の興味関心から 算数の扉を開く体験を

 もし算数がテストの点にとらわれることなく、図形や数を使って遊んだり生活に役に立つものを作ったりする学びだったら、子どもたちはどんなふうに取り組むのでしょう。専門知識を生かして算数や数学でクリエーティブな学びを提供しているmath channelの横山明日希さんは、「教室では子どもたちが安心して算数にのめり込める」と話します。

「図形を使った模様や、算数を使ったクイズやゲームを子どもと一緒に作っていると、『苦手』がどこにもないことに気づかされます。それは自分の興味に沿ったアイデアを出すことに夢中になっているから。その中で『こうしてみたらどうなるかな?』と算数のエッセンスを加えたとき、子どもの算数の扉がパッと開く瞬間がたくさんありますね」

 親からすると、算数を好きになるその先に、どうしても「解けるようになってほしい」「苦手をなくしてほしい」という気持ちがセットになりがちです。

「これまで長いことテストの点数だけで評価されてきた歴史があるのでその気持ちも分かります。でも子ども全員が数学者になる必要は全然ないですよね。ある学校で、校長室の前の掲示板に子どもが作ったパズルが飾ってあったのを見たとき、点数以外にいろいろな評価軸があったほうがいいと痛感したんです。解答は間違っているのにいい考え方をするとか、数字を生かして生活に絡めるのはうまいとか、数字のパズルや迷路は突出して面白いなど。評価軸が多様だと算数の『好き』を伸ばすことに変わっていくと思うんです」

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AERA with Kids編集部
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